教会に押し入り神父殺害 容疑者の1人は地元在住か

教会に押し入り神父殺害 容疑者の1人は地元在住か
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フランス北部にあるキリスト教の教会で、刃物を持った男2人が押し入り、神父を殺害した事件で、フランスのメディアは、容疑者の1人が地元に住んでいたと伝え、検察当局は、教会の近くにある容疑者の自宅を捜索するなどして動機や過激派組織との関わりなどを捜査しています。
フランス北部の町、サンテティエンヌデュルヴレにあるキリスト教の教会で26日、刃物を持った男2人が押し入り、神父や信者など合わせて5人を人質にとって立てこもり、神父を殺害しました。
2人の男は、押し入ってから1時間余りたって教会の外に出たところで警察の特殊部隊に射殺され、オランド大統領は、過激派組織IS=イスラミックステートが絡んだテロ事件だとして強く非難しました。
2人の人物像については明らかになっていませんが、フランスのメディアは捜査筋の話として、このうちの1人が地元に住んでいて、去年、内戦が続くシリアへの渡航を試みるなどしたとして当局の監視下に置かれていたと伝えています。
この男は最近、知人に対してテロを起こすことを予告していたとも伝えられ、検察当局は、容疑者の自宅を捜索するなどして動機や過激派組織との関わりなどを捜査しています。
事件が起きた教会の近くに住む女性は「警察の車両が集まり、銃声も聞こえてきて、不安になりました。教会でも買い物でも、どこにも安全な場所はありません」と話していました。

神父をひざまずかせ殺害か

当時教会の中にいた修道女が地元メディアの取材に応じました。
この中で、修道女は「男らは、ミサのための服を着て祭壇の下にいた神父をひざまずかせ、動けないようにした。私たちは、これから重大なことが起きると確信した。男らは、神父が行う説教のように、アラビア語で何かを言い、私たちに対しては『お前たちキリスト教徒はわれわれを抹殺している』などと叫ぶように言った」と当時の状況を証言しました。
修道女の話からは、2人の男が当初から神父を標的にしていた様子がうかがえます。このあと修道女は教会から逃げ出して通りかかった車に助けを求めたということです。

米 仏の捜査を支援する姿勢

ホワイトハウスのシュルツ副報道官は26日の記者会見で、「アメリカ政府は、この恐ろしいテロ攻撃を最も強いことばで非難する」と述べ、強く非難しました。そのうえで、「われわれは、捜査を行っているフランスの当局を支援していく用意がある」と述べ、フランスの捜査を支援する姿勢を示しました。