【前回コラム】「「いきものがかり」の水野さんは「優秀なクリエイティブディレクター」である(ゲスト:水野良樹さん)【前編】」はこちら
今回の登場人物紹介
※本記事は7月2日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
水野さんが影響を受けたアーティストは意外なあの人
中村:今夜もいきものがかかりのリーダーで、ソングライターの水野良樹さんをお迎えしております。
権八:普段の曲作りはどういう意識でつくっているのかお聞きしてみたくて。曲を聴いていると、「メジャー」な感じがすごくするというか、みんなが好きな感じをちゃんと捕まえにいっている印象を受けるんです。自分が本当にやりたい音楽性とのバランスなど、どうされてるんでしょうか?
水野:そうですね、『YELL』だったら中学生の卒業式で歌える、何か人生の大事なイベントで歌われる、ということは人に影響を与えていくじゃないですか。社会に変化を与える、影響を与えるということが僕の最終の目標なので、そのうえで今の自分にとって一番いい武器は曲なんですね。なので、音楽としてそれが素晴らしいものをつくるということも大事ですが、どうやって社会に、みなさんの近くに曲がいって、影響力を与える形になるかということを考えています。
だから、『ありがとう』だったら、たまたま「ありがとう」になったけど、これはみなさんがよく使う言葉じゃないですか。結婚式で花束を渡すときに『ありがとう』が流れるなど、僕の思いやメッセージをそこに書かなくても、みなさんが本当に大事にしている思いに繋がると、かなりの数の人に影響力を与えられたり、自分がつくった意味ができたり。それをよく考えていて、だから表現をするというよりは何かアクションを起こしたいみたいな気持ちのほうが強いのかな。複雑な説明になっちゃいましたけど。
澤本:いやいや、わかりやすい。たぶん権八も僕らもCMをつくるときって意外と近いよね。作品をつくりあげたいというよりは、それをつくって流すことによって結構な人が笑ってくれたら幸せだな、物事が動くといいなと思ってつくっている部分があるじゃない。
権八:それはそうですね。
澤本:前に水野くんと話をしたときにそう思ったんですよ。アーティストだけど、アーティスト、アーティストしていない部分もあって。結局大きなものを動かしたいと思っていて、それにはこの道が一番いいんじゃないかと思うことをやっているという。それを音楽というところでやっている人がこの人だなと。だからメジャーに聞こえたりするんじゃないですか。
権八:「自分の思いがどうこうよりも、みんなの思いを書いてるんだ」みたいなことをどこかでおっしゃってませんでした?
水野:そうですね。みんなの思いが伝わればいいなと。代弁はできないと思うんですよね。わからないじゃないですか、他人の思いって。だけど、家族愛にしても、恋愛の愛にしても、僕が「愛してます」という言葉を歌にして、曲に書くとするじゃないですか。いろいろなタイプの「愛してる」があって、それに全部繋がっていけば、僕が曲をつくった意味があるというか。
旦那さんに対する「愛してる」なのか、不倫関係にある女性に対する「愛してる」なのか。全然違う愛だけど、どっちにも繋がったら、その2人に僕は繋がれるので。どちらも代弁することはできないけど、器になるような感じというか。そういう風になりたいというイメージはなんとなくあるんですけど。
中村:すごい。それを曲で表現できるのってすごいと思いますけどね。
権八:だからこそ、「ありがとう」みたいな言葉も、子どもでも言える、みんなに広がっていくというか。それぞれの「ありがとう」がありうるというか。イメージが膨らむワードをあえてチョイスしているというか。そういう感じがしますよね。
澤本:水野くんが影響されてきた人は誰ですか? 日本も海外も含めて。
水野:最初にハマったのは玉置浩二さんです。個性の塊みたいな人で中学生のときに大好きでした。あと、BONNIE PINKさんも大好きだった。あの頃の僕は物を知らない中学生なりにBONNIE PINKさんは何か新しいサウンドだと感じていて。僕が知らなかったからだけなんだけど。
権八:『Heaven’s Kitchen』。
水野:『Heaven’s Kitchen』を聞いて、ワーみたいになって。初めて見に行ったのは玉置さんで、まだあんなにファンキーじゃない頃ですね。朴訥としていたキャラクターだった頃。その前はまだ「安全地帯」の頃があって、いろいろな変遷があるじゃないですか。朴訥としていた頃の玉置さんにハマって、この人はいろいろな顔があるんだなって。ギターコードは玉置さんの曲で覚えたんじゃないかというぐらい好きでしたね。
権八:やっぱり同じ神奈川というか、路上ライブでいうと、「ゆず」は意識していたんですか?
「澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所」バックナンバー
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