石原慎太郎元都知事(83)が26日、東京都知事選(31日投開票)に立候補している小池百合子氏(64)について「厚化粧で大年増の女に任せるわけにはいかない」などと、女性蔑視と受け取られかねない発言をした。都知事選で、党の除名覚悟で小池氏の応援を続ける自民党の若狭勝衆院議員(59)は、都内の街頭演説で、悔し涙を流した。

 若狭氏は、JR十条駅前での演説中、石原氏の発言内容を紹介した後、絶句。涙ながらに「政策ではない内容で、ああいうことを言われるのは悲しい。私は小池さんを元気にしようと思って応援しているが、今日は元気がない応援になってしまった」と述べ、「ぜひ、みなさんの力で小池さんを(知事に)押し上げてほしい」と、呼び掛けた。

 マイクを受け継いだ小池氏は、「若狭さんが男泣きした。男を泣かせてしまい、申し訳ない」と述べた上で、「いまだにああだこうだ言っている人がいるが、私は自分の意思で立候補した。女は聞き分けがいい、使い勝手がいいと思わせないためにも、1票を投じてほしい」などと訴えた。

 若狭氏は演説後、報道陣の取材に、慎太郎氏の発言について「日本が今後、女性を活躍させながらどう進めていくのか、という話を、真っ向から否定する話。『大年増の厚化粧の女には任せられない』と、こんなことを言われて、黙っていられない」と反発した。

 「クローズ(内部)の場所ではなく、大勢の人がいる所で、ああいう言葉を言うというのは。本当に厚化粧なのか見たのかと言いたい」と指摘。「今まで、(慎太郎氏が)女性蔑視をしてきたことの、典型的な表現なのではないか。僕は公平な社会をつくりたいと思う。揚げ足を取るつもりはないが、あの発言はよろしくないと思う」とも述べた。

 一方で、「批判はしていない。表現の自由があり、言うことは構わない。ただ、僕は聞いて悲しいし、寂しい」とポツリ。若狭氏は、増田氏以外を応援した場合、親族を含めて除名処分の可能性もあるとした自民党東京都連の方針に反し、告示前から小池氏を応援している。「石原慎太郎さんを敵に回せば、(自民党の)除名にどんどん近づいている」と、あらためて覚悟を示した。