現地時間23日、1986年に公開されたSF映画『エイリアン2』の30周年を記念する同窓会イベントが米サンディエゴのコンベンションセンターで開催されたコミコン・インターナショナル(以下、コミコン)内で行われ、ジェームズ・キャメロン監督とオリジナルキャストたちが再会を果たした。
伝説的SF映画の同窓会とあって、6,000人以上を収容する最大規模のパネル会場ホールHは満員。キャメロン監督を筆頭に、シガーニー・ウィーヴァー(リプリー)、ランス・ヘンリクセン(ビショップ)、マイケル・ビーン(ヒックス)、キャリー・ヘン(ニューク)、ビル・パクストン(ハドソン)、ポール・ライザー(バーク)、プロデューサーのゲイル・アン・ハードが勢ぞろいすると、客席のボルテージは最高潮に達した。
パネルは、スタン・ウィンストンが手掛けた同作を象徴する存在、クイーンエイリアンの話題からスタート。キャメロン監督が「クイーンがリアルな存在に見えたのは、シガーニーが本物と思って演じてくれたからだ」と語ると、シガーニーは「本物じゃなかったの?」とジョーク交じりに回答。キャメロン監督はクイーンの大まかな仕組みを説明すると「彼女はそういった仕組みを知りたがらなかった。リアルな存在として受け止めたかったからだ」とその姿勢を称賛した。
さらにキャメロン監督は、クイーンの初期段階における動作テストはウィンストンのオフィスの駐車場で行われ、スキーのストックとゴミ袋を使用していたと述懐。最終的に男性2人がクイーンの中に入り、外からは14人のオペレーターによって動作する仕組みがとられたと明かし、CGが主流ではなかった時代を振り返った。
アカデミー賞ノミネートを果たしたシガーニーをはじめ、俳優陣の演技も印象的な本作。中でも、お調子者の海兵隊員ハドソン(ビル)とアンドロイドのビショップ(ランス)は、ビショップがハドソンの手に自分の手を重ねてナイフ芸をするシーンをはじめ、印象的な場面で大活躍。その伝説的なナイフシーンについてキャメロン監督が、早送りにしか見えないヘンリクセンのナイフさばきは、一切の速度変更や編集がされていないと明かすと、会場からは大きな拍手が送られた。
またリプリーがエイリアンから守る少女ニュークを演じたキャリーは、女優の道を歩まず小学校の教師に。今でも生徒たちから、両親のために『エイリアン2』のソフトにサインがほしいとせがまれることを明かし、根強いシリーズ人気をうかがわせた。