「全身麻酔では自力で呼吸できなくなりますから、手術がうまくいっても、麻酔から覚めるときに肺に痰などが入って肺炎を起こしたり、脳が酸素不足になって譫妄状態に陥るなど、重い合併症が起きるリスクがあります」(広島大学病院講師の讃岐美智義医師)
さらに、驚くべき事実がある。麻酔薬の作用機序、つまり「どのようにして麻酔がかかるのか」「なぜ麻酔薬を投与されると、人は意識や感覚を失うのか」というメカニズムは、未だに完全には解明されていないのだ。
つまり医者たちは「今までも効いてきたから、大丈夫だろう」という経験則にもとづいて、全身麻酔を行っているにすぎない。先述したような、死に至る「失敗例」に関しても、正確な原因は藪の中というのが実情である。
「そもそも、なぜ効くのか分かっていないのだから、事故が起きた際の検証もできない。つまり、全身麻酔の事故は今後も防ぎようがないということです」(前出・麻酔科医)
手術をするとなれば、どうしても全身麻酔を受けるよう、医者から言われる局面はある。そのとき、麻酔が体に深刻なダメージを与えるかもしれないということを、心に留めておくべきだ。
「週刊現代」2016年7月2日号より
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