言語学習と音楽の相性が良いとはよく耳にする話。洋楽が好きなら自然と外国語に耳が慣れそうだし。科学的に音楽が脳や体に良い影響を与えているだなんて研究結果もたくさん。
しかし、なかには外国語を理解することが音楽センスに役立つなんて話も。バイリンガルというだけでも憧れるのに…、そんなのズルい!
外国語ができる人は、
音感が良い。
「アメリカの国立生物工学情報センター(NCBI)」に掲載された研究結果は、Riia Milovanov氏率いるフィンランドの研究チームによるもの。
子どもたちの成績を、バイリンガルかどうかで分けて比較。外国語の習熟度が高い子どものほうが、音楽のテストで優秀な成績を残しました。具体的には、ピッチ(周波数)や、音色、音調の区別、リズム感などが優れていたそうです。
楽器のコードを識別するときや、“イイ音”が鳴った時には脳が活性化。さらに、1年ほど基礎的な音楽学習を行っている人は、そうでない人に比べて脳内の言語を司る分野に差が見られたとも言われています。
バイリンガルになれば、同時に音楽的素養まで備わる?一体なぜでしょう。
音楽と外国語の学習は、
どちらも優れた脳トレ。
上の動画で語るメルボルン大学Anita Collins博士によれば、音楽を聴いたり、演奏することは、メロディ・リズム・音色など、バラバラに機能している情報を同時に理解して、行動にまで落とし込む複雑な作業。
脳内の多くの部位が活発化し、問題解決能力が鍛えられると考えられています。たしかに、英才教育の一環で音楽を学ばせる家庭は多いもの。
なかには、幼少期から音楽を学んでいる場合、認知行動における計画性や人格の発達、社会性の認識などを司る部位(前頭前皮質)が活性化するというレポートまであるようです。研究者からは「子どものIQとは思えないような、高い学習能力が示されている」なんて声も。
つまり、音楽は優れた脳トレと捉えられているわけです。そして、
音楽と言語の学習工程は、
めちゃ似てる!
そこには、こんな共通点があるのではないでしょうか。
【言語学習】
①単語を覚える。
②短い文章を作る。
③文法を学ぶ。
④体験と言葉をリンクさせる。
⑤考えた内容が話せるようになる。
⑥議論を重ね、言葉をコントロールする。
【音楽学習】
①コードを覚える。
②コード進行を覚える。
③構成を学ぶ。
④コード進行とメロディをリンクさせる。
⑤イメージ通りの楽曲が作れるようになる。
⑥作曲を重ね、音をコントロールする。
こうして見ると、たしかに音楽と言語の学習には相互作用があって然るべきなのかもしれません。どちらも、シーンに合わせて適切な方法を選ぶ、複雑な情報処理が必要になります。
両方始めちゃえ。
というわけで、バイリンガルな人は音楽的才能まで持ち合わせた羨ましい存在のようです。その逆も然り、両方学ぶ相乗効果でどんどん脳のパフォーマンスが最大化されていくなんて可能性まであります。
もう指をくわえて待っているわけにはいかないのでは?音楽経験がある人は外国語学習を、バイリンガルな人は音楽学習を始めましょう。どちらも習得できれば鬼に金棒。
どっちもまだだよ…という人は、同時に始めちゃえ!