黒魔術と白魔術の違い
私は、この仕事を始めて20数年になりますが、よく黒魔術と白魔術はどこが違うのかとよく聞かれます。まず、「黒魔術」とか「白魔術」という魔術は存在しないことを最初に言っておきます。実はこの黒魔術・白魔術という呼び方は俗的に言われているだけで、実際は魔術には白黒の区分けというのはありません。これは、海外の魔術関連書籍を読むと書いてあります。魔術、というテクニックを、「自分の私欲の為に使う」とき、黒魔術と呼ばれ、「みなの為に道徳的に使う」とき、白魔術と呼ぶようになりました。日本では、映画や漫画等で魔術から連想されるイメージから使われてきた事や魔術関連知識の欠如からイメージとして語られて来た事が原因です。また、黒魔術でよく、悪魔などの記載が数多くみられますが、悪魔は誤りであり、精霊が正しい呼び方となります。ちなみに1910年に発刊されたアーサー・E・ウェイトが著した The Book of Black Magic の記述の中でも精霊と記載されています。
話を黒魔術と白魔術の違いに戻りますが…
ソロモンの小さき鍵(The Lesser Key of Solomon the King)などは、俗的に黒魔術と言われていますが、同じ精霊で病気を癒すことも出来れば相手を病気にして殺すことも出来ます。このように魔術は同じ種類の魔術でもその用い方によって白魔術とも黒魔術ともなるわけです。この魔術は黒、この魔術は白とは分けられないのです。つまり魔術を使う人間の心によって白なのか黒なのかが決まるわけで、どこまでが白でどこからが黒だとは言えないのです。つまりどの魔術が白でどの魔術が黒かとう問題は永遠に結論の出ない問題で論じるだけ無駄なことなのです。
魔術とは…
「汝の欲するところが法の全てとなる」
アレイスター・クロウリー
この言葉にすべてが集約されています。
ちなみにアルケミストソロモンでは、一般の方にも判りやすくするために白・黒を分けて紹介していますが、利便的に使っているのだとご理解下さい。