韓国プロ野球は今年、人気絶頂を迎えている。史上初の公式戦観客800万人突破を目標に掲げ、21日に500万人を超えた。今年は「クリーン・スポーツ」をスローガンにしている。ところが、韓国プロ野球は同日、「八百長」というファンに対して顔向けのできない犯罪に関するニュースを提供してしまった。今回は、2012年の不祥事で「誘惑の対象」だった選手側が逆に八百長を「独自計画」したという点で、より衝撃的だ。裏切られたファンたちは「KBO(韓国野球委員会)は4年間、いったい何をしていたのか」「プロ野球関係者を全員入れ替えなければ暗黒時代がやって来るだろう」と憤りを見せている。
■本当にこれだけなのか
捜査対象は、検察が「今回の事件は後を引くだろう」と言うほどさらに拡大する見通しだ。韓国各地の違法なスポーツ賭博サイトは何千件あるものと推定されている。八百長をあっせんするブローカーは何人いるのか見当も付かない。野球関係者らは「今回の事件は予見されたことだ」と口をそろえる。その1人、A氏は「4年前、韓国プロ野球界には『八百長は全球団に広がっている』といううわさが広まっていたが、実際に処罰を受けたのは2人だけだった。その時、放置したために問題がさらに深刻になった」と言った。プロ野球人気が再び盛り上がっていた時期に不祥事が発生したため、事件の波紋を最小限に食い止めることばかりに力を入れたということだ。当時、各球団は所属選手たちに対し、八百長に関する情報を自主申告するよう言ったが、実際の申告者は1人もいなかった。韓国プロサッカー界は2011年の八百長事件で現役選手40人を完全追放するなど超強硬策を取った。それ以来、サッカーでは八百長問題が起きていない。
■無気力なKBO、無責任な球団
KBOは12年の八百長事件以降、選手を対象に防止教育を毎年実施している。試合をリアルタイムでモニタリングする公正センターを設置、「隠密監視」制度も実施した。さらに、今年5月には法務部(省に相当)と業務協約まで締結している。しかし、こうした措置は何の実効性もなかったことになる。KBOのヤン・ヘヨン事務総長は「八百長にかかわった選手を永久除名し、さまざまな防止教育も行っているが、選手たちの私生活まで管理・監督することはできない」と嘆いた。