世界的に見てソウル大学のランキングが低いことも、外国人教員がソウル大学を去るもう1つの大きな理由だ。かつてソウル大学芸術学部に勤務していた英国アルスター大学のラルフ・サンディ教授(53)は、アルスター大学のほぼ半分レベルの給与を甘受してソウル大学にやって来た。その理由は給与よりも韓国美術について知りたい思いが強かったからだが、それでもサンディ氏はわずか4年で元のアルスター大学に戻った。サンディ氏は韓国を去る際「韓国もソウル大学も本当に気に入ったが、韓国の学界は非常に遅れているため、このままでは自分も淘汰(とうた)されるという不安を感じ耐えられなくなった」と語っていたという。
朝鮮日報と英国の大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ社(QS)」が共同で調査し先月発表した「アジアの主要大学ランキング(2016年度版)」によると、ソウル大学は「教員1人当たりの論文数」の項目で昨年の21位から今年は52位へと大きくランクを下げた。これは中国の精華大学(30位)や日本の東京大学(36位)はもちろん、インド工科大学(37位)、台湾の国立清華大学(45位)よりも低かった。また教授らが書いた論文の影響力を示す「被引用回数」においても、ソウル大学は昨年の18位から今年は24位にまでランクが下がった。
言語の違いから研究をサポートする大学院生などとスムーズなコミュニケーションが取れず、このことを理由にソウル大学を去るケースもある。ソウル大学が昨年8月に国会に提出した資料によると、2010年から昨年3月までにソウル大学に採用された外国人教員は80人で、彼らは1人当たり平均4.2人の大学院生を指導した。ところがソウル大学の韓国人教員が指導する大学院生の数は平均7-8人のため、外国人教員はその半分の数の大学院生しか指導しなかったことになる。しかも外国人教員のうち24人(30%)は1人の大学院生も指導していなかった。