「日本人は安全」通じず、 テロ警鐘 専門家、立命館土曜講座で
立命館土曜講座「テロと過激主義運動」が23日、京都市北区の立命館大衣笠キャンパスで開かれた。比較政治学が専門の東洋英和女学院大の河野毅教授が、イスラム国(IS)などによるテロの現状やその背景について講演し、「日本人は欧米人と比べれば安全という理屈は通じず、テロの犠牲は継続する」と警鐘を鳴らした。
国連などで実務を経てきた河野教授は、ISの特徴として、イスラムの教義に詳しい人たちだけでなく、インターネットなどを通じて、社会から疎外されたと感じる人もテロに参加させる手法を確立させている、と指摘した。
ISの今後については「大国の軍事力の前にいずれ領土を失うが、外国人戦闘員が母国に帰る。戦闘インフラは破壊できても、心理的な破壊に追い込むことは難しく、テロは継続するだろう」との見方を示し、「恐怖心をかき立てる彼らの戦略に乗らず、その心理的な背景を理解することが大切だ」と約200人の参加者に呼び掛けた。
【 2016年07月23日 23時21分 】