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■文化批評家・切通理作さん(52)

 「被爆者なのに原発を許した罪は重いのでは……」。長崎で学徒動員中に被爆した86歳の母は、福島の原発事故後そう言い、小さな声でも発信したいとブログを立ち上げました。でも読者は少なく、思いは世間に届きそうにない。そんな時、尊敬する作家が励ましてくださった。「戦争体験者の話は大切。本を書く価値は絶対にある」と。

 息子の私が被爆者の母の体験を聴く。その対談を本にまとめることにしました。昨年夏、インターネットで資金を募るクラウドファンディングで出版への協力を呼びかけました。

 同居する母へのインタビューは1回1~3時間で計9回。高校の教師だった母から戦争や原爆の話は聞いていたけれど断片的でした。「点」のような話が「線」につながりました。

 庶民がいかに戦争に巻き込まれ…

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