2016年7月6日にアメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランドで先行配信が開始され、配信開始から1週間で1000万ダウンロード(Android版の集計)を記録するなど、爆発的な人気となっている。日本国内でも近日配信予定で、リリース日については憶測が飛び交っているが、関係者によると、今しばらくサーバーの準備などに時間がかかりそうとのこと。
この大フィーバーについてレポートする。
==目次======================================================
◆現実世界の様変わりをレポート
●犬の散歩がてら、親子でポケモンゲット
●ポケモン世代を自負するサンフランシスコ勤めのレベル20
●中学生は、自転車で機動力を生かして
●老夫婦も、夕暮れの散歩のお供に
●1人でプレーする女性も目につきました。出会いがあるかも…
◆データが物語る、Pokemon GOのすごさ
◆有機的なプレイヤー同士のつながりと風景の変化
◆「ポケモンGO」の日本配信はいつ? 増田順一氏がコメント発表
●サーバーの安定性に課題か?
◆Pokémon GO(ポケモン ゴー)の概要
●Pokémon GO Plusとは
●影響、武勇伝、事件
◆トルコでは禁止を求める声、アウシュビッツもプレー除外を要求
◆まとめ
==============================================
◆現実世界の様変わりをレポート
Pokemon GOの影響力の大きさを感じるのは、SNSの画面上だけの話ではありません。カリフォルニア州サンフランシスコ郊外の都市バークレーでの出来事。
7月13日の夕方、ジムがある公園に出かけてみると、以前は人影が見当たらないのが普通でしたが、あたりにはスマホの画面を見ながら回遊している人々だらけ。
日本では塾通いなどでさほど珍しくないかもしれませんが、暗くなりつつある時間帯に小学生が出歩くというのは、アメリカでは誘拐のリスクが非常が高いこともあり、親が許可しないことの方が多いです。
「絶対1人ではダメ」と言われた男子3人は、Pokemon GOリリース後、毎日集まって、公園とその周辺に来ているそうです。すでにレベル9に到達し、レアなポケモンもゲットしているという緑色の髪の毛の男の子は、「家でスマホゲームばかりする夏休みよりも断然良い」と、スマホを握りしめていました。
「ダイエットにも良いしね」って小学生の発言なのか…。
●犬の散歩がてら、親子でポケモンゲット
犬の散歩をしているお父さんもしくはお母さんと、その子供。前述の通り、1人で出歩くのはご法度ですが、普段は面倒でいかない犬の散歩についていく、というのは良い作戦です。2人ともスマホを見ながら散歩していた親子は、子供がやり始めて面白そうだったから、と親も始めたそうです。
●ポケモン世代を自負するサンフランシスコ勤めのレベル20
ポケモン世代にとっては熱狂しないはずがないのが、拡張現実の世界で展開されるポケモンゲーム。サンフランシスコに勤めているポケモン世代を自負する男性は、サンフランシスコの職場の周りでプレーして、イーストベイの自宅の近くでもプレーしているそうです。ナイアンテックの前作、Ingressは1週間でやめたそうですが、Pokemon GOは見事にハマり、すでに初日にレベル11。現在レベル20。サンフランシスコ市内の方が、「メジャーなポケモンがゴロゴロいる」とのこと。
●中学生は、自転車で機動力を生かして
アメリカでは自転車に乗るとき、必ずヘルメットを装着するのですが、目の前を通りかかった中学生はヘルメットを自転車のハンドルにぶら下げて、しきりにその中を見ていました。もちろん、ヘルメットの中にはPokemon GOが起動しているスマホが。
これはアイディア賞。でもヘルメットなしは危ないので、そのうち、ハンドルにスマホを装着するホルダーを親にねだろうと思う、と言ってました。
●老夫婦も、夕暮れの散歩のお供に
Pokemon GOの人気は、若者に限りません。老夫婦の夕暮れの散歩のお供にも、Pokemon GOが使われていたのには驚きました。Ingressもそうでしたが、散歩との相性が非常に良いのがこのゲーム。果たして、どこまで操作方法を理解しているかはわかりませんが、現実世界を歩いてスマホを通して見るゲームの世界は、もしかしたら一般的なゲームよりも理解しやすいのかもしれません。
●1人でプレーする女性も目につきました。出会いがあるかも…
意外と、20代の女性は1人でプレーしている人がほとんどでした。もちろん社会人になれば、そう毎日友人とつるむわけにもいかないのかもしれません。でも、出会いもありそうですね。
実際に、目の前で、男女がスマホを見ながら歩いていてぶつかるという、古典的な出会い方が起きていました。また、ずっと公園の広場をフラフラしていた男女は、Pokemon GOの良い解説ビデオの情報を交換しておりました。
◆データが物語る、Pokemon GOのすごさ
公開から1週間あまり過ぎましたが、めざましい成果を上げています。SurveyMonkey Intelligenceによると、1日のアクティブユーザー数のピークは2100万人に上り、モバイルゲームの大ヒット作であるCandy Cruch Sagaをの2000万人を上回るようになりました。
また、SensorTowerによると、ユーザーの1日あたりの利用時間は33分25秒を記録しており、Facebookの22分、Snapchatの18分、Twitterの17分、Instagramの15分を上回るとしています。
さらにiOS、Androidともに、ダウンロードやアプリ内課金による収益はトップ。上記の写真をみると、米国以外の国でも伸び続けることが予測しやすく、2016年を代表する大成功したモバイルゲームとしてすでに存在感を大きくしている状況です。
◆有機的なプレイヤー同士のつながりと風景の変化
夕方6時から8時ごろまでの2時間、前述の公園に滞在していましたが、小学生や中学生のグループ、犬の散歩がてらの親子、老夫婦、一匹狼の女性プレイヤーなど、様々な人々が、公園でのポケモンハントを行なっていました。
郊外よりも、サンフランシスコ市内の方が良いポケモンがたくさん見つかる、という仕事帰りのプレイヤーの情報もありましたが、それでも、Pokestopが4つ集まっている公園は、ひっきりなしに、スマホを眺めながら歩く人々が訪れていました。そして、老若男女がスマホを見せ合いながら、情報交換をし、自然に会話が生まれている風景がそこにありました。
小学生たちは、検索しながら方法を見つけてプレーしているといいます。一人でプレーしていた大人はYouTubeなどのビデオ解説を探してプレーしていて、そのビデオを教えてくれたりしました。
スマホを眺めながら街を歩いていると、友達ができる。そんな風景が、郊外の都市に広がっていたことに驚き、また、Pokemon GOがこれからさらに大きな変化をもたらしてくれることに、期待を寄せずにいられませんでした。
(2016年7月14日 15時28分配信より引用編集)
◆「ポケモンGO」の日本配信はいつ? 増田順一氏がコメント発表
2016年7月14日 12時30分 インサイド
位置情報機能を活用し、現実の世界を舞台に「ポケモンバトル」や「交換」などが楽しめる『Pokemon GO』。シリーズの新たな可能性を広げる本作は、一部地域での配信ながらも高い注目を集めています。
SNSでは多くのユーザーが楽しむ様子が続々とアップされ、過熱ぶりはネットのみならずTVのニュースでも報じられるほど。そのため熱中症や、いわゆる「歩きスマホ」への注意・警告なども行われており、社会現象と呼べる状況になりつつあります。
ですが現時点では、日本を含むアジア、そして欧州などではまだ配信されていない『Pokemon GO』。各国のユーザーにとっては、正式サービスの開始が実に待ち遠しいばかりですが、『ポケットモンスター』シリーズに深く関わる増田順一氏がLINE BLOGにて、『Pokemon GO』に関するコメントを発表しました。
最初に、多くの方がプレイしている現状に感謝の意を表した増田氏は、「日本のみなさん、欧州やアジアのみなさん、お待たせしています。安定してリリースできるまで、もうしばらくお待ちください」と、配信まであと少しだけ時間がかかりそうな旨をコメントしました。
具体的な時期はまだ明かされていませんが、最高の体験を提供したいとの増田氏の思いが実る時を、一日千秋の気持ちで待つばかりです。
『Pokemon GO』は2016年サービス開始予定。価格は、基本無料のアイテム課金制です。
●サーバーの安定性に課題か?
配信が遅れている最大の理由については、多くの憶測が乱れ飛んでるが、あまりにも急激なユーザー数の増加にサーバーが対応しきれてない可能性が指摘されている。特に、課金システムをとっている以上、スムーズなプレイが実現されないとクレームに繋がる恐れが大いにある。このため、サーバーの安定性に万全を尽くしているのが現状のようだ。
◆Pokémon GO(ポケモン ゴー)の概要
株式会社ポケモンが任天堂と位置情報ゲームIngressを開発したNIANTIC, inc.(Google関連企業)の二社と共同で開発中のスマートフォン初の本格ポケモンタイトルである。
これまでのポケモンシリーズの舞台は、日本の地域や外国をモデルにした架空の世界であった。だが、今回の舞台はリアルワールド。我々のいる現実の地球である。
プレイヤーは自らの足で現実世界を歩き回って、野生のポケモンを発見、捕獲しなければならない。
Googleマップを使った地図の上に自分の現在位置、ポケモンの居場所や「ポケストップ」という必要なアイテムを購入したりできるスポットがなど表示され、実際にその場所に行けばポケモンと出会えるというもの。
「ポケストップ」は名所旧跡などに多いが意外な場所がポケストップになることも。まれにポケモンのタマゴが見つかることもある。
オフィシャルサイトに掲載中のプロモーションビデオは、見ているだけで血が騒ぐような出来栄えだ。ただ、動画の中で、ポケモンゲットの際に投げるボールは、実際にはスマホの画面の中だけだ。
http://www.pokemon.co.jp/ex/PokemonGO/
その他これまでに判明した内容は以下の通り。
・スマホ単体でもプレイ可能だが、同時発売予定の専用ブレスレット「Pokémon GO Plus」を装着するとより深く楽しめる。
・野生ポケモンは5分ほど歩けば容易に発見できる。水辺には水ポケモンが出現しやすいなど、現実の地形によって出現するポケモンのタイプは異なる。
・屋外を歩行中、ポケモンを発見するとPokémon GO Plusが反応してスマホ画面にポケモンまでの方向と距離が表示される。
・スマホ画面は普段は斜め上からの地図を表示。戦闘時の背景はCG。戦闘後はARによる表示となる。
・発見したのが野生のポケモンならば、最適なモンスターボールを選択してゲットすることができる。
・プレイヤーはレベルが上がると3種類のチームのいずれか一つに所属することになる。所属するとスポットの一つである「ポケモンジム」に手持ちのポケモンを登録できるようになり、それを奪おうとする他チームのプレイヤーから「ジムバトル」を挑まれることになる。
・同種のポケモンを多数集めると、そのうちの一匹を進化させることができる。
・ポケモンのタマゴは携帯機同様、「現実世界における」徒歩により孵すことになる。
・もちろん近くにいるプレイヤーとポケモンを交換できる。
・これまでのシリーズにはなかった多数プレイヤーによるバトルロイヤルや一対多のポケモンバトルイベント(レイド?)もあり得る。
・人が侵入困難な危険地域にはポケモンを出現させないなど、Ingressで得られたノウハウがふんだんに投入される。
●Pokémon GO Plusとは
同時発売予定の専用ブレスレット。
・形状はモンスターボールとGoogleのランドマークピンを融合したようなデザイン。
・機能はバイブレーションとLEDランプつきボタンが一つの超シンプル仕様
・ボタン一つだけでポケモン発見から捕獲までの一連の操作が可能。
・電池その他の仕様は不明。
・スマホとはBluetooth LEでリンクされる。
・仕様
発売予定:2016年
対応OS:iOS Android
対応端末:カメラ、ジャイロ、GPS搭載端末?
価格:基本無料(有料アイテムあり。ただし高いアイテムを買っても大きな優位とはならないよう調整するとのこと)
Pokemon GO Plus(オフィシャルサイトより引用)
●影響、武勇伝、事件
・数日でアクティブユーザー数がTwitterに並ぶ
・アメリカ人の間でメートル法が認知される
・あらゆる場所に人だかりができる。夜の公園ですら賑わう
・アメリカ政府が苦戦していた子供の肥満問題に有効打を入れる
・任天堂の株価が超急上昇
・川辺を探索してポケモンではなく死体が見つかる
・Pokémon GOを罠にした強盗が発生する
・プレイに熱中しすぎて前方不注意による怪我が多発
◆トルコでは禁止を求める声、アウシュビッツもプレー除外を要求
AFPが伝えるところによると、7月15日、トルコのイマーム(イスラム教指導者)組合「ディヤネト・セン(Diyanet-Sen)」は、現実世界にゲームを重ね合わせるこのゲームが、イスラム教を侮辱することにつながるとして、禁止を要求した。
同組合のメフメト・バイラクトゥタル(Mehmet Bayraktutar)代表は、モスク(礼拝所)でもゲームに興じる人がいたことを受けて、ゲームは「人々が礼拝を行う場所の重要性や価値をおとしめている」と非難。さらに、ポケモンGOはイスラム教に対する欧米諸国の陰謀だという見方まで示し、「私はこれを非難する、トルコでは禁止してほしい」と訴えた。
前日の13日にはポーランド南部のナチス・ドイツ(Nazi)強制収容所跡地に造られたアウシュビッツ博物館(Auschwitz Museum)も、ナイアンティック社に対し、犠牲者に敬意を払ってアウシュビッツをプレー可能地域から外すよう要請していた。
また、トルコ保健省も、昼間の特に日差しが強い時間帯には屋外でのプレーを控え、危険な路上での「ながら歩き」はしないよう呼び掛けた。(AFPBB Newsより引用編集)
◆まとめ
世界中で、一大ブームを巻き起こしつつあるポケモンGOであるが、おそらく、日本でも大きな社会問題に発展する可能性もある。少なくとも、歩きスマホは倍増することは間違いないが、駅のホームには出現してほしくはないものだ。
2016年最大のヒット商品になることは間違いないだろう。
ポケモンGOで出現したヒトカゲをゲット
(YouTube動画よりキャプチャ)
この記事へのコメント