東京大大学院の教授が、内規に反する手続きで別の教授が採用されたことで、学問の自由が侵害されたとして、同大を相手取り慰謝料1千万円の一部として1円の損害賠償を求める訴訟を25日、東京地裁に起こした。

 提訴したのは、大学院新領域創成科学研究科の柳田辰雄教授。訴状によると、柳田教授が担当していた講座で2010年に、もう1人の教授を公募で採用することになったが、教員らによる会議での審議や決定をしないなど研究科の内規違反があったという。また、この採用に伴って講座内の研究分野も再編されたため、柳田教授は「自分の研究者としての学問、研究の自由が侵害された。大学は侵害されないように配慮する義務を怠った」と訴えている。