植松聖容疑者(フェイスブックから)【拡大】
26日午前2時45分ごろ、相模原市緑区千木良、知的障害者施設「津久井やまゆり園」の職員から「刃物を持った男が施設に来ている」と110番があった。神奈川県警や消防によると、入所者が首などを刺され、現場で19人が死亡した。ほかに25人が重軽傷。県警は殺人未遂と建造物侵入の疑いで、午前3時すぎに津久井署に出頭した現場近くに住む元職員植松聖容疑者(26)を逮捕した。 犠牲者19人は殺人事件としては戦後最悪の被害とみられる。
県警によると、植松容疑者は自称無職で「ナイフで刺したことに間違いない」と容疑を認め「障害者なんていなくなってしまえ」との趣旨の供述をしている。県警は同署に捜査本部を設置し、今後容疑を殺人に切り替えて経緯や動機を調べ、事件の全容解明を進める。
消防によると、死亡した19人は19歳から70歳で、男性9人、女性10人。東京医科大八王子医療センターによると、重傷者のうち同センターに搬送された男女4人は意識不明。首の傷がひどい人が多く、深さは最大5センチほどだった。
神奈川県などによると、植松容疑者は2012年12月から施設に勤務し、今年2月に「自己都合」を理由に退職した。施設の定員は160人。6月末時点で、19~75歳の149人が長期滞在していた。個室に1人か2人が入所し、全員が支援の必要度を示す6段階の区分のうち、重い方の「4~6」に該当する知的障害だった。約40人が60歳以上とみられる。敷地は約3万平方メートル。
施設は事件当時、夜勤の職員8人と警備員1人の計9人態勢だった。
警視庁によると、植松容疑者とみられる男が2月、衆院議長公邸に手紙を持参。内容にまとまりがなく、県警は精神状態の解明も進める。