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引き上げに対応、中小企業助成を拡充…政府方針

 政府は、最低賃金(2015年度・全国平均で時給798円)の引き上げに向けた環境を整えるため、中小零細企業への助成金拡充の方針を固めた。安倍晋三首相は16年度の最低賃金を3%(約24円)引き上げるよう関係閣僚に指示している。しかし、過去最大だった昨年度の改定幅(18円)を大幅に上回る賃上げは企業経営を圧迫する恐れがあり、支援策が課題となっていた。8月上旬にまとめる経済対策に盛り込む。

     拡充するのは「業務改善助成金」と「キャリアアップ助成金」。

     業務改善助成金は、最低賃金が時給800円未満の地域で賃上げをした事業者に経費の一部を助成(上限100万円)する制度。「時給800円未満」の要件を外し、中小企業が多く集まり、最低賃金の高い東京都(907円)や大阪府(858円)など大都市部も対象に含める。助成対象の賃上げ幅も現在の「60円以上」から「20円以上」に引き下げる。最低賃金の最も低い沖縄県など(693円)でも3%上げれば対象になる。ソフトウエアなどに限られている対象経費について、人材育成や教育訓練費用などが入るように広げ、補助率も引き上げる方針だ。

     キャリアアップ助成金については、現在は非正規労働者の賃金を2%以上引き上げた場合、人数や企業規模に応じて助成している。支援策では、3%以上引き上げた場合はさらに増額する。また、助成金の申請について、現在は賃上げから6カ月後になっているのを、賃上げ後すぐにできるようにする。企業の事務負担軽減のため、ランクごとの賃金額を定めた「賃金テーブルなどの策定」を要件から外す。

     最低賃金は、厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」が全国平均の「目安額」を示した上で、各都道府県の地方最低賃金審議会が地域別の金額を決める。16年度については、中央審議会が近く目安額を決定する見通しで、引き上げ幅は23円を軸に調整している。

     最低賃金の全国平均額は12〜15年度の4年連続で2桁上昇している。一方で、15年度の地域別最低賃金は214円の格差がある。【阿部亮介】

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