自民党の細田博之幹事長代行は26日午前の記者会見で、けがで入院中の谷垣禎一幹事長の容体について「頸髄(けいずい)を損傷し、手術を受けた。意識ははっきりしており、合併症はなく経過は順調だ」と説明した。復帰の見通しに関しては「現段階では今後についての正確な見通しは申し上げることはできない」と述べるにとどめた。復帰が遅れれば、8月3日にも予定する内閣改造・自民党役員人事に影響を与える可能性がある。
谷垣氏は16日に都内で趣味のサイクリング中に自転車で転倒した。谷垣氏の容体を、党が公式に説明したのは初めて。当初は軽傷で党務への影響はないと説明していた。細田氏は公表内容について「弟の秘書がついている。電話で間接的に伝え、本人もそれを見ている。直接、話はしていない」とした。
谷垣氏は2014年9月に党幹事長に就任。「安倍晋三首相は谷垣氏に助けてもらっているという思いが強い」(菅義偉官房長官)との見方があり、今回の内閣改造・党人事でも首相は留任させたい意向とみられる。憲法改正に向けた国会論議などを控え、谷垣氏に野党との調整への期待がある。
ただ、けがの状態に加え、東京都知事選の選挙期間中に趣味のサイクリングでけがをしたことの責任を谷垣氏が感じているとの見方もあり、谷垣氏自身が続投を断る可能性も否定できない。