骨格を維持…麻生副総理、菅官房長官留任へ
安倍晋三首相は25日、夏季休暇から公務に戻り、8月3日に行う内閣改造・自民党役員人事の調整を本格化した。首相は参院選を受け、「アベノミクスを加速する強力な布陣」とする考えで、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官を留任させ、内閣の骨格を維持する。
自民総務会長、二階氏が続投
党人事では、首相の2018年9月までの党総裁任期の延長を提案している二階俊博総務会長を留任させる方向だ。
菅官房長官は25日の記者会見で、「首相自身が内外の諸課題にしっかり対応できるよう適材適所で人事構想を練っている」と強調。そのうえで「1億総活躍社会を実現し、総合的で大胆な経済政策を進めていく中で必要な人材を首相は考えている」と語った。
首相は、サイクリング中にけがをした自民党の谷垣禎一幹事長についても留任させたい考えだ。回復状況を見極めたうえで、職務継続が可能かを最終判断する。
改造は中規模を想定しているが、谷垣氏が交代する場合、全体の人事構想が変わり、改造規模が膨らむ可能性がある。
岸田文雄外相、稲田朋美党政調会長については要職で起用する方針。岸田氏を政調会長、稲田氏を外相に充てる構想などが取りざたされている。また、参院からは、3年半を超えて官房副長官の職にある世耕弘成氏の起用を検討している。
公明党は昨年10月の内閣改造で入閣した石井啓一国土交通相の留任を軸に検討を進めている。党の方針が決まり次第、首相に希望を伝える。
参院選で落選した岩城光英法相と島尻安伊子沖縄・北方担当相は交代させる。また、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の関連法案などが審議される秋の臨時国会に備え、業界団体から現金を受け取っていた森山裕農相、選挙区内の香典支出問題で追及された高木毅復興相ら、「政治とカネ」の問題が浮上した閣僚については交代を検討している。【高本耕太】