クラウドファンディングを汚すのはマジで止めて欲しい - Outward Matrixb.hatena.ne.jpえっそんなルール誰が決めたの。仕組みの構造自体が肝要であって、野心とか起業とかどうでもよくないですか > "クラウドファンディングは、世界を良くしたいと考えている野心的な起業家をサポートするための素晴らし"
2016/07/25 19:02
これについてですが、ブコメの文字数制限が厳しすぎたので補足です
TL;DR
- Shin 氏の主張は宮森はやと憎しを耳障りの良い感情ワードで装飾しただけにしか思えないし、それをさも社会正義かの様に主張する内容には同意できない
- 元記事が単に「単に俺が気に食わない、何が CAMPFIRE だクソが」とかの内容だったらオッやっとるなという感じでよかったと思いますし何も文句はない
感情ワードを使った定義の危険性
そもそもクラウドファンディングの定義はなんでしょうか。少なくとも私が調べた限りでは明確な定義が存在するものではなく、元記事でも引用されているコトバンクでの解説や Wikipedia に記載されている概要を参照する限り、とても曖昧な概念であるように思えます。少なくとも、厳密な定義があるものではないでしょう。
Shin 氏はクラウドファンディングを「ある目的、志のため、不特定多数の人から資金を集める行為」「本来クラウドファンディングは、世界を良くしたいと考えている野心的な起業家をサポートするための素晴らしい仕組み」としています。宮森はやとさんの主張はそれに沿わないのでダメということでしょう。
しかし、このようなそもそも定義が曖昧なはずの概念を「志」「世界を良くする」「野心的」「社会を良くしようと」「起業」といった感情ワードで根拠なく定義してしまうのは非常に危険に思えます。
このような定義が曖昧な概念について論じる時は、対象が持つ特徴や構造を用いてある程度客観性のある定義をその場で行った上で進めるべきではないでしょうか。少なくとも感情で定義して進めるよりはずっと筋の良い話ができると思います。
自然淘汰と多様性
クラウドファンディングは、自然淘汰が発生する構造です。資金の提供に対してリターンを提示するわけですから、単純にリスクに見合うリターンと感じられる価値を相手に提供できる人が生き残り、そうでない人が淘汰されていくだけです。例えば私は、宮森はやとさんや似たような人達が今後もいろんなプロジェクトを CAMPFIRE 上で成功させ続けられるかといえば、非常に怪しいと思っています。
また、クラウドファンディングサイト(クラウドファンディングの仕組みをサービスとして提供しているサイトとします)も、生き残りをかけて多様性を持っていくでしょう。低額のプロジェクト歓迎といったスタンスを取る CAMPFIRE もその一つです。
ここに「志を持った人」「世界を良くするプロジェクト」「野心的な起業家」が生き残るべきというよくわからない外圧をかけてしまうのは果たして健全と言えるでしょうか。私は、自然淘汰の成り行きに任せるべきだと思います。
宮森はやとはクラウドファンディングを汚しているのか
元記事では「何をするのかまったくわからないシェアハウスの資金や、自分でバイトすれば稼げるようなPC購入資金のためにこのプラットフォームを使わないで欲しい。」「社会を良くしようとしているマトモな起業家たちの芽を摘まないでください。」と言っています。
何をするのかまったくわからないシェアハウスというのはつまり宮森はやとさんの以下のプロジェクトの事を指しているのでしょう。
まず、CAMPFIRE 上でプロジェクトとして公開されている以上クラウドファンディングの構造としての要件は満たしているし、プロジェクト概要でどのような内容のシェアハウスなのかはある程度説明されていますし、リターンの内容についても、190万円以上の資金が成立しているためこれに魅力を感じる人が一定数以上居たのでしょう(人間は最高)。
そもそも「何をするのかまったくわからない」は単なる Shin 氏個人の感想だし、その他の人間が同様に感じるであろうという根拠も特に書かれていないので、単に宮森はやとやその周辺が気に食わなくて難癖付けたいだけなのでは。
PC購入資金についてはMacBookについて指しているのだと思いますが、こちらもリターンが提示されてクラウドファンディングとしての構造を満たしているのであればそれを行うなとする根拠はありません。単に、リターンが魅力的でなければ資金成立せずに終わるだけですし、魅力的であれば成立することもあるでしょう。
確かに、例えばPC購入資金(高くともせいぜい数十万円ほどでしょう)ならアルバイトや他の手段でお金を貯めることも可能かもしれません。しかし、Shin さんが言うような「野心的な起業家」や「社会を良くしようとしているマトモな起業家」が銀行やVCによる融資などの選択肢の中からクラウドファンディングという手段を選ぶことが許されるように、PCを入手するための様々な選択肢の中からクラウドファンディングという手段を選ぶことも許されるべきでしょう。重要なのは資金提供者を納得させられるリターンを提供できるかです。
ちなみにこれを感情ワードで装飾した論法で言うと「俺はバイトして手に入れた無機質な金でMacBook買うよりも、クラウドファンディングのお金で買いたい。そのお礼としてMacBookで◯◯を作って提供することで、みんなに、社会に価値を届けたいんだ。起業家と俺の気持ちに、何の差異があるんだ」みたいになり、「無機質な金とはなんだ、アルバイトを馬鹿にするな、労働は等しく尊い」とかのややこしい話が始まってすべてがごちゃごちゃになった結果人間達が終わり、悲しみ、そして…