【ビエンチャン=張勇祥】中国の王毅外相は24日、訪問中のラオス・ビエンチャンで、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相ら東南アジア諸国連合(ASEAN)の複数の外相と相次ぎ会談した。26日に開くASEAN地域フォーラム(ARF)で南シナ海問題を巡って日米などと激しい攻防が予想される中、仲裁判決の支持に傾くASEANの切り崩しを目指しているもようだ。
王外相は24日にビエンチャン入りし、夕方から夜にかけてシンガポール、ブルネイ、タイ、ミャンマー、カンボジア、韓国の外相と相次ぎ会談した。会談内容は判明していないが、経済協力などをちらつかせて南シナ海問題での中国支持を呼びかけたとみられる。
中国の要人は小国との会談で相手を呼びつけることが多いが、スー・チー氏らとの会談では相手方に自ら足を運ぶ配慮を見せた。王外相は記者団の呼びかけに対して「中国とASEANは長い友好関係を維持してきた」と述べ、ASEANとの良好な関係をことさら強調してみせた。