【ビエンチャン=地曳航也】ラオスを訪問している岸田文雄外相は25日午前、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談した。昨年末の従軍慰安婦問題を巡る合意を着実に履行する方針や、北朝鮮の核・ミサイル開発への対処で連携を強めることを確認。中国の南シナ海での進出問題では、国際法に基づき平和的に解決すべきだとの認識で一致した。
日韓外相会談は昨年末にソウルで慰安婦問題を巡る合意に達して以来。合意に基づき韓国側が元慰安婦を支援する財団を設立する。当初27日としていた設立時期は28日になる見通し。日本側は財団に10億円を拠出するが、ソウルの日本大使館前にある慰安婦を象徴する少女像の移転を前提とすべきだとの声もある。
会談で韓国側は財団の設立を含め合意実施の国内の準備状況を説明した。会談後、日本政府筋は資金に関し「出した後、財団の事業にどう使うかについてまだ調整している。拠出の時期は決まっていない」と述べた。
岸田氏は在韓米軍と韓国軍が北朝鮮に対抗し導入を決めた米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)に関して支持を表明した。