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 消費者庁は25日、実在する二つの会社名を悪用し、金銭をだまし取る手口が広まっていると注意を呼びかけた。

 一つは、東京都千代田区の資産運用会社「ブラックロック・ジャパン」の社名を使い、国内で売却困難なウズベキスタン通貨スムの購入をすすめるもの。過去に悪質商法の被害に遭った人に電話をかけ、「被害回復できる」と言い、パンフレットを送付。その中で社名や住所などが悪用されている。消費者庁は被害者名簿が出回っているとみている。

 もう一つは、渋谷区の動画配信会社「U―NEXT(ユーネクスト)」をかたった有料動画サイトの未払い金の架空請求。携帯電話に料金を請求するショートメッセージサービス(SMS)を送りつけ、消費者が記載された電話番号にかけると、同社名をかたり、金銭の支払いを要求する。

 ブラックロック社は「当社の事業とは一切関係ない」、ユーネクストは「SMSで料金を請求することはない」と、それぞれ注意を呼びかけている。

 ブラックロック社の社名を使った手口では、消費生活センターなどに10人から相談があり、そのうち5人が計約2千万円をだまし取られた。ユーネクストに関しては192人から相談があり、20人が計1100万円を支払ったという。