政府が沖縄県提訴 「辺野古移設」狂った早期再開シナリオ
安倍政権は22日午前、米軍普天間基地の辺野古移設をめぐり、沖縄県を相手取って地方自治法に基づく違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に提起した。
翁長雄志知事が埋め立て承認取り消しの是正指示に従わないことの違法性を確定させる狙いだ。国と県の訴訟合戦は3月にいったん和解したが、約4カ月半を経て再び法廷闘争に戻る。
政権サイドが3月の和解条項で描いたシナリオはこうだ。総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」の審査を踏まえ、沖縄県が不服として改めて国を提訴、司法判断を仰いだ後に埋め立て工事を再開する――。ところが、同委は翁長知事の承認取り消しをめぐる違法性の判断を回避。当然、沖縄県側は提訴を見送り、安倍政権の想定シナリオに狂いが生じた。
政権サイドからの提訴は想定外の事態で、この先は県側がさまざまな手段で判決の引き延ばしを図ることも予想される。工事の早期再開を目指す安倍政権には痛手だ。