北朝鮮による5回目の核実験の可能性が高まる中、「北朝鮮がさらなる核実験を敢行した場合、韓国も自動的に核兵器の開発に乗り出すと宣言すべきだ」という意見が韓国の与党側で出ている。
国会外交統一委員会に所属する与党セヌリ党の元裕哲(ウォン・ユチョル)議員は24日、本紙の電話取材に対し「国際社会の(北朝鮮に対する)度重なる警告や制裁、韓米当局によるTHAAD(高高度ミサイル防衛)配備の決定にもかかわらず、北朝鮮による核やミサイルの脅威がなくなっていない。韓国も国際社会の制裁ばかりに頼るのではなく、自衛権の行使という次元で自主的な核武装の推進に乗り出すべきだ」と述べた。国連が北朝鮮の核実験などに対し「トリガー(引き金)条項(一定の条件が満たされた場合に効力を発する条項)」を設け、自動的に介入して追加制裁を実施することを決めたように、韓国も北朝鮮が5回目の核実験を強行した場合、自動的に核武装に乗り出すと宣言しようというわけだ。
元裕哲議員は「韓国の核武装宣言を通じ、北朝鮮の核開発に対する抑止力を確保できると思う」として、来月4日に国会でこれに関する討論会を行うという。その上で、韓国の核武装について議論する国会内のフォーラムも立ち上げる意向を示した。
セヌリ党の院内代表を務めた元裕哲議員は今年2月、国会の院内交渉団体(会派に相当)代表演説で核武装を主張したこともある。元裕哲議員は「米国共和党の次期大統領候補ドナルド・トランプ氏が、在韓米軍の撤退を公然と示唆する状況だ」として「(韓国の)核武装に対する国際社会の反発を意識し、手をこまぬいているばかりではいけない」と語った。また「北朝鮮が核を廃棄すれば、韓国も直ちに非核化を推進するという点などを明らかにし、国際社会への説得に乗り出すべきだ」と述べた。