困ったときに頼れる人がいない韓国人

 「あなたには困ったときに頼れる家族や友人がいますか」

 韓国ではこの質問に「いる」と答えた人が10人中7人で、経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も低かった。国会立法調査処が2015年の社会統合指標を分析した結果、韓国は同指標11項目のうち「社会的関係」を示す項目が特に低かった。社会的関係を示す項目は、世論調査機関のギャラップが各国で15歳以上の男女1000人に冒頭の質問をした結果に基づいている。

 韓国人の72.4%は「困ったときに頼れる家族、友人、同僚がいる」と答えたが、「いない」との回答も27.6%に上った。「いる」との回答は09年から14年の間に7ポイントも低下し、調査対象36カ国(OECD加盟34カ国とブラジル・ロシア)のうち最低d.

 「いる」との回答が最も高かったのは、スイス(95.8%)、デンマーク(95.0%)、ドイツ(93.6%)、オーストラリア(92.0%)などで、米国(90.0%)、日本(88.5%)なども全体平均(88%)を上回った。 

 OECDは「周囲の人々の支援を受けられなければ、生活の質が大きく低下する半面、社会的なネットワークが強固な国では働き口も容易に見つかり、健康状態も良かった」と指摘した。

 ソウル大社会学科の張徳鎮(チャン・ドクチン)教授は「韓国人が情に厚いというのは昔話だ。マウル(集落)など伝統的な共同体が瓦解し、社会問題を共に解決するのではなく、各自が世の中を生きていくという雰囲気が広がっているためだ」と分析した。

 一方、OECDの社会統合指標を見ると、韓国は10点万点で平均5.0点だった。これも全体平均(6.0点)を下回る水準だ。

 社会統合指標は社会的関係、教育、雇用、個人の安全など11項目の点数を平均した数値で、韓国は教育(8.0点)、雇用(7.7点)、個人の安全(7.6%)などの点数が比較的高かったが、仕事と生活のバランス(5.0点)、人生の満足(3.3点)、社会的関係(0.2点)という項目で点数が低かった。

 調査対象36カ国のうち社会統合指標が最も高かったのは、ノルウェー(8.0点)、デンマーク(7.9点)、スイス(7.8点)、スウェーデン(7.7点)の順で、韓国よりも低い国は、チリ(4.5点)、トルコ(3.8点)、メキシコ(3.4点)などだった。

ヤン・モドゥム記者
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