岡山大学が、医学部から出された論文に対する不正疑義の調査において、論文掲載画像の加工痕跡検証(5画像)と、対となる画像の同一性検証(4組)を依頼した業者に支払った金額が開示されました。(文書20、21)
画像調査及び報告書作成費用として、株式会社イェンドレッド社に支払った金額は、
162万円(税込み)であったことが判明しました。
過去の事例を調べてみましたが、不正調査をした研究機関内で画像解析をしたケースが多く、この解析内容で業者に支払った金額が妥当なものかどうか判断する情報が不足しています。
解析業者の選定には、機密保持性を重視するとして、最初から1社に選定されました。(文書18)
(問題点)再掲
・専門委員からの紹介のみで、技術力を裏付ける資料などの確認をせずに解析業者を選定したのでしょうか。関係者の研究者としての信用にも関わる不正調査を委託するのであるから、業者の技術力を確認することは重要なはずです。
事実、その解析業者は簡単な画像処理で分かるレベルの切り貼り画像を見抜けていなかったことから、高度な専門技術を有しているとは言い難く、安易な選定をした可能性が否定できません。また、関係者と解析業者の間に何らかの利害関係があり、論文1での不適切な画像差し替えや論文30での不可解な判断が行われた疑念もぬぐえません。
参考として、御社がこれまでに、こうした不正調査に関する画像解析をどれくらいされてきたのか、実績を教えて頂けないでしょうか?また、岡山大学から「画像調査及び報告書作成」の料金として、2015年1月に税込みで162万円が支払われておりますが、過去の実績でも同程度の料金でこうした業務をされてこられたのでしょうか?
・文書20: 見積書と請求書
・文書21: 購入依頼書、支出契約決議書
(決裁者・確認者・担当者の印影は私の方で黒塗りしました)
(参考1)イェンドレッド社への依頼内容
id:warbler の 文書18−画像調査及び報告書作成について(依頼).pdf
(参考2)イェンドレッド社による報告書
id:warbler の 文書15−論文掲載画像に関する検証報告書.pdf
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