誤算だらけ…金本監督が阪神にもたらした「暗黒時代」の悪夢

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(更新 2016/7/25 16:00)

阪神・金本知憲監督(c)朝日新聞社

阪神・金本知憲監督(c)朝日新聞社

 金本知憲新監督のもと、「超変革」のスローガンでスタートした2016年の阪神タイガース。開幕当初は若手選手を積極的に起用し、4月中旬には首位に浮上するなど、好調な滑り出しだった。しかし、6月に5連敗を喫すると、8勝14敗と大きく負け越し、7月も2度の3連敗と5連敗で5勝12敗と最悪のチーム状態で、最下位が定位置となりつつある。

 低迷の最大の要因は、打てない打線にある。チーム打率(.241)、同本塁打(49本塁打)、同得点(310得点)はいずれもリーグ最下位で、完封負けは7試合もある。在籍6年で3度の最多安打に輝いたマット・マートンに代わる存在として獲得されたマット・ヘイグは、打率2割台前半で2度の登録抹消と戦力になっておらず、復活の兆しをみせていた西岡剛も7月20日の試合中にアキレス腱を断裂し、今季絶望となった。

 開幕から特に顕著なのが、主力と目された選手の不振で、金本監督が「このチームには、レギュラーが3人しかいない」と言う鳥谷敬、福留孝介、マウロ・ゴメスのうち、機能しているのは今季、日米通算2000安打を達成し、打率3割台をマークしている福留ぐらいだ。

 14年の打点王で主軸に期待されたゴメスは、3~4月こそ9本塁打と活躍したが、6月以降は打率も急降下し、7月の月間打率は1割台で現在は打率.252、14本塁打と、ポイントゲッターとしての役割を果たせていない。

 さらに深刻なのが鳥谷で、打率.234とかつてないほどの低打率に苦しみ、5月19日の中日戦でタイムリーを打って以来、7月22日の広島戦までなんと46試合、210打席適時打なし、という不名誉な記録を樹立している。リーグトップクラスと言われた遊撃守備も10失策と振るわず、7月24日の広島戦ではスタメンを外れ、12年から続いていた連続フルイニング出場が667試合でストップした。

 誤算続きなのは、投手陣も同じだ。特に先発陣は、当初4本柱と期待された能見篤史、藤浪晋太郎、メッセンジャー、岩田稔のうち、最高はメッセンジャーの8勝で、能見は5勝8敗、藤浪は4勝6敗と負けが先行。岩田に至っては未勝利で、5月以降は二軍暮らしが続いている。特に金本監督が、就任直後に19勝のノルマを課した藤浪の不振は深刻で、同級生でワンランク上のレベルに進みつつある北海道日本ハムの大谷翔平には、大きく水をあけられた感がある。


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