7月中旬。
そろそろ内定が出ない就活生から不安と愚痴、就活制度への疑いが出てくる季節である。
「みんなは嘘をついて内定を出した。自分は正直だから上手くいかない。」
とある就活生はそう言った。
私もあのころ、自分が疑問を持つことにみんなは疑問を持たないから就職できるんだと思っていた。
あるいはみんな、疑問を持った自分を隠すのが上手いから世の中でもやっていけるんだと思った。
今でもそれは、ある種正しい考えであったと思っている。
私はその後、誰でも入れるブラック企業でなんとか2年居座り続けたけれど、結局どうにも我慢できなくて辞めてしまった。
最早ニートという言葉でひとくくりにすることは難しいのではないかと思うぐらい、みんないろんな過程を経てプーな生活を送っている。
今日はその中で一番衝撃的だったおっさんの話をしようと思う。
理系で教授推薦で面接に行ったのに内定0
いくら就職難とはいえ、理系できちんと勉強した人間には教授がいい就職先を推薦してくれる。
推薦で落ちることなんてそうそうない。
しかし彼は落ちた。
全て最終面接まで行ったのに落ちた。
逆に一体何をすれば落ちるというのか。
彼は正直者だった。
たとえるなら雪印で社長に向かって、
「僕は森永の方が好きなので御社を森永のようにします。」
と言ってしまったらしい。
ちなみに、言ってしまったというのはあくまで私の印象で、彼はいまだにそれについて悪びれる様子がない。
ではなぜ森永を受けなかったのかと聞くと、
「自分から見て森永には改善点がないのでわざわざ自分が入社する必要がない。変わりがきく仕事なんてやりたくない。」
と判断したらしい。
そもそも会社なんてみんな変わりがきく仕事をしているから、ほいほい辞めるししょっちゅうどこかで引き継ぎが行われているのだ。
彼の理屈はそもそも会社に向かないと思う。
けれどその一方で、とある会社を思い出す。
LINEの田端社長は、「行きたい会社のことは褒めるな、disれ。」と言っていた。
もしかしたら彼はベンチャーなら合っていたのかもしれない。
だから冗談半分で言ってみた。
「LINE受けてみたら?」
するとこう返ってきた。
「LINE興味ない。でももし入るならまずスタンプをなくす。」
あ、これはやっぱり無理だな。と思った。
おっさんのその後
おっさんはその後フリーランスとしてやっていった。
あるときはバーを始めて、ライブバーなのに無音を貫きながらアイリッシュウイスキーを提供し、
「海で溺れた味がします。」
などと説明していた。
またあるときは興味もないサブカルの店を営み、またあるときは経営不振の飲食店のコンサルをした。
そうこうしているうちに紙媒体を電子化する事業を先駆けで行って一発当て、今はウッハウハでニートという名の高等遊民である。
結局彼は、せっかく学校で学んだ知識は全く生かさず金を稼いだ。
結論:正直者でも実力さえあれば金は稼げる
彼は正直者で鼻につく協調性のない人間だが、実力だけはあった。
人事や他人の要求に従うことは壊滅的にできないけれど、ビジネスを考えるとき、ありとあらゆる需要を見つけ出すことに長けていた。
それは言うなればセンスで、簡単に他人が真似できるものではない。
きっとこういう人間が、本来あるべきフリーランスなんだろうなと私は思っている。
今回ブログネタにすることを快諾してくれた(というより私のクソみたいなブログのことなどどうでもよいと思っているのでしょう)ついでに
「金さえくれればコンサルするよ。」
とも言っていた。
私には一銭も入らないんだけど、気になる方は私までご連絡ください。
sakenominimal@gmail.com
(自分で言うのもなんだけど、どう考えても怪しげな個人ブログからの紹介なんて、自己責任で慎重に連絡してね。)
そして最後に、私の頭の悪いたとえのせいで当記事でちょっとした風評被害みたいなっている雪印に「嫌いじゃないよ、いつも使ってるよ。」という敬意を込めて、適当に商品を貼っておきます。