「自分の書いている英文が正しいかどうかわからない。」
英文メールやエッセイ(論文)を書いていると、よくぶつかる悩みである。
プライベートのSNS/メール上の英文ならまだしも、仕事や試験、または一般に公開される英文となると、文法的に正しい英語でないとまずい。
ネイティブに添削してもらうのが最良の方法だが、現実的に難しい。しかし、自分の書いた英文を疑い始めるとキリがなく、無駄に時間を浪費してしまがちである。その結果、結局あいまいなままで仕上げてしまう。
僕自身もこういうことを何度も経験してきているという背景もあるので、今回は、英語のライティングについて書いてみたい。前半では英文校正ツール「Grammarly」の紹介・使い方、後半では効率的な英文ライティングのTIPSについて書いてみる。
Grammarly
もうすでにご存知で利用している人も多いかもしれないが、「Grammarly」という英文チェックサービスがある。無料版と有料版があるが、とりあえず無料版でも十分利用価値がある。Grammarly自体は以前からあるのだが、最近は性能も改善され、パワーアップしてきているので改めて紹介する。
Grammarlyは250以上の文法ルールをもとに、英文を自動校正してくれる。スペルチェックや冠詞・前置詞のチェックはもちろん、冗長な言い回しの指摘や盗用度チェックまで、ととても便利なツールである。僕も英文サイトのWeb制作をしているのでよく利用している。
▶Free Grammar Checker | Grammarly
Grammarlyの使い方
Grammarlyの使い方として、大きく分けて3つある。
1.オンラインサービス
Chrome、Firefox、Safariを使用している人なら、無料でGrammarlyのサイト内で文章校正サービスを利用できる。アカウントを作って管理画面にログインし、英文を入力または英文ファイルをアップロードすれば、自動的に文法チェックしてくれる(使い方詳細は後述)。
2.アプリをPCにダウンロード
Grammarlyのサイトから、別途アプリをダウンロードしてPCにインストールしてしまう方法もある(Windows用)。上述のとおり、GrammarlyのWebサービスはChrome、Firefox、Safariのみなので、これら意外のブラウザを使っている人はアプリをダウンロードしてPC上でGrammarlyを使用すれば、まったく同じ機能を利用することができる。
▶Grammarly for Windows | Grammarly
3.Chrome、Firefoxの拡張機能で英文入力リアルタイム
Chrome、FirefoxにGrammarlyの拡張機能をいれておけば、ブラウザ上での英文作成中にリアルタイムで文法チェックしてくれる。文法的な誤りがあればポップアップ画面が現れ(下図)、校正のアドバイスが表示される。GmailなどのWebメールを使ったり、ワードプレスで英文記事を作成するなど、ブラウザ上で英文作成する機会の多い人は重宝するだろう。
▶Grammarly for Chrome - Chrome Web Store
▶Grammarly for Firefox
Grammarlyの英文チェック
Grammarlyに登録&ログインして(またはアプリを立ち上げて)みよう。そうすると、以下の画面から、新しい英文入力画面を開くか英文ファイルをアップロードすることができる。
英文を入力すると下図のように自動的に英文が校正される。左の英文の赤字の下線部分が文法ミスの指摘箇所で、右側にその改善提案が表示されている。スペルチェックはもちろん、冠詞や前置詞の使い方など、細かく自動校正が行われている。待ち時間はほとんどない。
また、Grammarlyでは同時に類義語(Synonyms)の表示もしてくれる。英文を書いていると、同じ単語や表現を繰り返し使いたくない(使えない)場面によく遭遇する。その場合、類義語辞典を引いて別の単語を拾わなければいけないが、Grammarlyでは単語を選択状態にしただけで、意味の近い単語を表示してくれる。これは便利。
下の例では、"authentic"の類義語が表示されている。
有料版を利用すれば、さらに強力な英文校正サービスが受けられるので、以下のような人は試してみる価値は十分にあるだろう。
- 留学中で試験や課題で英文を書く機会が多い人
- IELTSなどの試験対策で、ライティングスキルを伸ばす必要がある人
- 英語で論文を書く技術者・研究者
- 真剣にライティングスキルを磨きたい
その他の英文校正サービス・ツール
Grammarly以外にも、英文校正サービスは色々あるので時間がある人は試してみてもいいだろう。
・Ginger
・1Checker
・PaperRater
・SpellCheckPlus
・GrammarCheck
これらの中で、一番日本人の間でメジャーなのがGingerかと思う。そこそこ使える。Grammarly同様にChrome、Firefoxの拡張機能もあるので便利。しかし、Gingerを使ったことがある人ならわかるかもしれないが、正直その校正能力は物足りない。長文にも向かないというデメリットもある。
個人的な意見としてはGrammarlyが使い勝手、実力的に一番よいツールだと思う。
ライティング上達のTIPS
便利な英文校正ツールを利用するにも、ある程度は自分で英文が書けるレベルに到達していなければ校正も何もない。
ビジネスで英文メールを書く人は、もう定形をたくさん覚えてしまった方が手っ取り早い。日本語でも同じだが、場面に応じたテンプレートを利用して表現や単語を少し変えていけばいいのである。
...を添付しましたのでご確認下さい。
I have attached
大変残念ながら、今回は...することができません。
Most unfortunately, on this occasion we are unable to...
よろしくご検討のほどお願い申し上げます。
We appreciate your kind consideration.
...で検討した結果、...という結論に達しました。
As a result of deliberation at
... について、至急ご連絡をいただければと思います。
Could you please contact me as soon as possible regarding
... までにご回答いただけますか。
I would be most grateful if you could reply by
... に関するお問い合わせはすべて ... までお願いいたします。
Please direct all inquiries concerning
ご都合が悪いようでしたらお知らせ下さい。
If this doesn't look convenient for you, please let me know.
これらのよく使う言い回しは覚えてしまおう。毎回ネットで検索するのも時間の浪費である。また、ビジネス例文集などを1冊買って手元に置くとかなり違うだろう。
ビジネス英文集は自分が使いやすければどれでも良いと思うが、ここでは以下を紹介しておく。実用的でわかりやすく、かなりおすすめ。上であげた例文ほか、1200の実例・例文が収録されている。
そして、これらのよく使う文章をまとめてGrammarly内に保存していくことをおすすめする。テンプレートの蓄積と文法チェックが同時に行えるので、英文作成がより効率的になり飛躍的にスピードアップが図れるだろう。他の人(とくにネイティブ)の英文なども保存して、再利用てしまえばいい。
最後に
エッセイ(論文)などのライティングにも言及したかったが、長くなってきたのでまた改めて記事にしたい。
IELTSや技術/研究論文の執筆のためにライティングスキルを上達させたい人は、ネイティブの添削が最も効果的である。Lang8という言語学習をテーマにしたWebサービスがあるので、ネイティブとコミュニケーションをとりつつ、長期的な学習計画でライティングの実力を伸ばしていきたい人は利用してみるのもよいだろう。
▶Lang-8 For learning foreign languages