消費者金融やクレジットカード会社に借りたお金を返さないと、『おいっ、田中っ!部屋にいるのはわかってんだぞ。出てこい!』なんて柄シャツを来たパンチパーマのおじさんが取り立てに来ると思っている方は未だに多いもの。
更にお金を返さないでいると、近所に「おとなりの田中さんは借金をしても返さない人です!」と言いふらされたり、自宅に「金返せ!」「人間失格!」とペンキで文字を書かれ、それでも返さないでいると『返済できないなら臓器を売れ!』なんて言われる。
そんな暴力的なイメージを、お金の取り立てに対して持っている方は多いですよね。
大手であればありえない取り立て:
しかし、実際にはどうなのかというと、そういった暴力的な取り立て行為は法律でしっかりと規制されています。
まぁ普通に考えてもらえればわかりますが、いくらお金を返せなくてもそこまで人権を侵害されるような行為や器物破損が許されるはずもないので、ああいった取り立てはあくまでドラマや映画の中だけの演出に過ぎません。
- イメージ:お金の取り立ては暴力的
- 実際:お金の取り立ては事務的
少なくとも大手消費者金融やクレジットカード会社といった、法律に則ってお金を貸している企業から借りる限りでは、過剰な取り立てに遭遇する確率は限りなく0%*1。あったとしても電話口で高圧的に返済を求められる程度です。
なぜ過剰な取り立てがありえない3つの理由:
ではなぜ過剰な取り立てはありえないのか?その理由は大きくわけて3つです。
1.法律違反=業務停止になるため:
1つ目はそもそも法律違反であるということ。
特に大手消費者金融やクレジットカード会社の場合には、こういった法令違反が金融庁にバレると業務停止命令を受けてしまう可能性があるので、社員には徹底して違法な取り立てを禁止。
なにせ大手と呼ばれる消費者金融では利用者が300万人前後はいますからね。1人のお客さんからお金を返してもらおうと違法行為をしていては経営が成り立ちません。
2.違法な取り立ては業績悪化にも繋がる:
2つ目は違法な取り立てがワイドショーや報道ニュースなどに取り上げられてしまうと、企業イメージが著しく悪化してしまうため。
特にアコムやプロミスといった大手消費者金融の場合にはせっかくテレビCMを流してソフトで健全なイメージを広めているのに、そんな怒号が飛び交うような取り立てが報道でもされてしまえば、今まで費やしたお金がゼロになるどころかマイナスにもなりかねません。
このあたりは1990年代頃に多くの消費者金融が学んだ教訓ですね。
- 過去、違法な取り立て電話がテレビで放送され、イメージ悪化
3.取り立てに行くのもお金がかかる:
3つ目は取り立てに行くのだってお金がかかるということ。消費者金融にしろクレジットカード会社にしろ、自社の社員を1人で取り立てに行かせるのは危険が伴うので、取り立てに行かせる場合には2人が基本。
加えてお金を返さない人はなにも貸金業者の営業所近くに住んでいるとは限らないので、「田中さん、3万円の返済をお願いします」と自宅まで行くこと自体がコスト(経費)になってしまうのです。
- 取り立てに行く交通費
- 2人分の人件費
- 反抗される可能性への対処
結果、取り立ては訪問ではなく電話やハガキが基本になることになります。
但し、ヤミ金は別:
ここまで長々と暴力的な取り立て行為はテレビの中のイメージでしかない…ということを書かせていただきましたが、それはあくまで大手消費者金融やクレジットカード会社からお金を借りた場合の話。
反面、法律をそもそも順守していないヤミ金業者やクレジットカード現金化業者などの場合には、最初から法律を守っていないわけですから取り立てについても暴力的になってしまう可能性はあります(ヤミ金と消費者金融の違いはこちら)。
- クレジットカード会社:法律順守
- 大手消費者金融:法律順守
- ヤミ金:法律を完全無視
- 現金化業者:法律を無視
そのため、どんなにお金に困ったとしてもこれらの業者からお金を借りては絶対にダメ。仮にそこまでお金に困ってしまった場合には自己破産や任意整理といった債務整理をするなどして、借金を一度、帳消しにしてしまうほうが絶対にマシですよ(相談はこちらなどに)。
以上、お金の取り立てに対するイメージは未だに暴力的。しかし実際には、臓器を売れとかペンキで金返せなどは、法律違反でしかありません…という話題でした。
参考リンク:
ヤミ金同様に怖いのが、クレジットカード現金化。気軽に使えるイメージが強いこの換金ビジネスですが、一度使ってしまうとクレジットカードを強制解約させられてしまうだけでなく、自分の個人情報が闇ビジネスで共有されたりとロクなことがありません。絶対に利用しないようにしてください。
*1:なぜ0%ではなく限りなく0%なのかというと、いくら大手消費者金融であってもすべての社員が法令に則った取り立てをするとは限らないため。ただ仮に過剰な取り立てをされた場合には、しっかり金融庁に苦情を申し立てるなどすれば収まりますのでご安心ください。