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電子版で再ブレーク 漫画「ちいさいひと」再開

「ちいさいひと 青葉児童相談所物語」(C)夾竹桃ジン 水野光博 小宮純一/小学館・少年サンデーS増刊連載中

25日発売の「少年サンデーS増刊」で

 児童虐待をテーマに、週刊少年サンデー(小学館)などで2010〜13年に連載された漫画「ちいさいひと 青葉児童相談所物語」が、25日発売の「少年サンデーS増刊」で再開された。連載終了後、電子版が販売されたところ、子育て中の母親を中心に支持され再ブレークしたためで、出版側は「全力で子どもを守る児童福祉司を通して、公的機関の児童相談所の役割を問いかけたい」と話している。

     「ちいさいひと」は子どもを守るため奔走する若い児童福祉司が主人公。連載が始まると、親の育児放棄により餓死寸前の子どもや継父からの性虐待に悩む子ども、DV(ドメスティックバイオレンス)現場など虐待の本質に切り込み、少年誌では異例として話題になった。

     連載終了後、15年から電子書籍として販売されると、20〜40代の子育て世代を中心に、「子どもを産んでから普通の親と虐待する親は紙一重だと思った」「虐待してしまう親も苦しんでいる」などと共感を呼んだ。小学館によると、ダウンロードは累計で50万件、単行本は20万部を突破したという。

     再開される連載の第1回は居所不明児を取り上げた。生活苦から住民票を移さずに住まいを転々とし、福祉の網から漏れた親子。その親子を懸命に捜し出そうと奔走する児童福祉司。子どもの泣き声を聞きながらも通報をためらう住民−−。

     取材を担当したジャーナリストの小宮純一さん(58)は「児童相談所が直面している問題を常に追いかけたい」と説明する。作画を担当する漫画家、夾竹桃(きょうちくとう)ジンさんは「親はどんな理由で虐待してしまうのか。虐待を受けた子どもはどう感じているのか。虐待を防ごうとしている人は何を思っているのか。その思いを描いていきたい」と話す。

     小学館は前シリーズの電子書籍の売り上げから約60万円をNPO法人「児童虐待防止全国ネットワーク」に寄付した。同法人の吉田恒雄理事長(駿河台大学長)は「子育て中の親の不安や孤独も描かれている。多くの人が、虐待の背景に気づくきっかけになるのではないか」と話している。【鈴木敦子】

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