【コラム】THAAD問題で表れた大韓民国の素顔

 政府の管理能力もめちゃくちゃだ。THAAD問題を見ても、発表前に野党に打診して協力を求める配慮、大統領が直接配備地域に出向き、住民を安心させるフェイストゥーフェイスの意思疎通が先行していたならば、事態がここまで悪化しなかったはずだ。特に数日の差を置いて、嶺南(慶尚道)新空港、大邱空港・K2空軍基地統合移転、THAAD星州配備など慶尚道地域の問題をばらばらに処理する政府当局者の思考は愚かすぎる。

 こんな韓国を、韓国の安全保障と直結した周辺国はどう考えているだろうか。一番喜んでいるのは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)勢力のはずだ。THAAD配備の問題だけでこれだけ反対世論が渦巻く分解状態を怖がる理由はないだろう。笑顔を浮かべているのは中国だ。中国の鼻息一つで国全体が台風にでも直撃されたかのように騒がしいわけで、韓国はいくらでももてあそべると考えているだろう。

 笑いをこらえているのは日本だ。日本は「韓国は自由奔放な国であることを自慢するが、安全保障と国防が奔放どころかあれほど迷走しているとは思わなかった」と考えていることだろう。韓国が最も深刻に考えなければならないのが米国の反応だ。THAAD配備が韓国でニンビー現象に直面し、さらに異質の要素まで便乗してきて、韓国国内で拒否権事案に変質(?)している状況に慌てているかもしれない。そして、「こんな国を米国が中国との対立リスクを覚悟してまで守ってやる理由はあるだろうか」と考えているかもしれない。

 内外の状況からみて、国防を固め、安全保障・外交を強化し、国民の力を結集するというこれまでの韓国の戦術と戦略に果たしてどんな意味があるのだろうか。たとえあるとしてもどれほど効率的かを改めて見直さざるを得ない。自ら戦争する(国を守る)決意もなく、周辺国が韓国を恐れるどころか見下す状況では、韓国はどんな戦争にも勝つことができない。それならば何のために多くのカネと人材を投入し、国防を進め、安全保障を叫ぶのか分からない。むしろ有利な側に確実に立って、受け身で従属的に暮らし、延命でも図るのが最善ではないだろうか。さもなくば、「中立」を宣言するなどして、最低限の安全を目指すことも方法かもしれない。北朝鮮のミサイルを阻止するのに特に効率的でもないTHAAD問題で韓国の素顔があまりにもはっきり表れた。

金大中(キム・デジュン)顧問
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