今日は野崎まど作の「舞面真面とお面の女」を紹介しようと思う。
あらすじ
箱を解き
石を解き
面を解け
よきものが待っている
舞面真面(まいつらまとも)は理工学部に所属する大学生。一年も終わりに差し掛かった頃、叔父である舞面影面に頼みたいことがあると言われ、彼の家に出向くことになる。
影面の家では、影面(かげつら)の一人娘であり、従兄弟である水面(みなも)と久しぶりの再会を果たす。彼女も影面に呼ばれ、帰省してきたのだという。
影面が頼みたいこととは、彼の祖父、真面たちにあたる曽祖父、舞面彼面(かのも)が残した遺言の謎を解いて欲しいとのことだった。
彼面は一代で財閥を築いた事業家であり、その彼がいう「よきもの」には皆が大きな期待を抱いていたものの、これまで誰一人遺言の謎を解けたものはいない、とのことである。
遺言状の文面からは詳しいことはなにも読み取れなかったが、真面たちはそれらしい「石」を屋敷の近くの広場で発見する。
そこに「面」と被った一人の少女が現れる。彼女は中学生ぐらいの背丈であったが、その身振り、話しぶりは年相応には思えず、謎深き少女だった。
果たして真面たちは彼面が残した遺言状の謎を解き、「よきもの」を手に入れることができるのだろうか。
「舞面真面とお面の女」はこんなお話
心の箱、体の石、そして、「面」
彼面の残した遺言状に書かれていた「箱」、「石」に関してはそれらしきものが見つかっている。
それらはそれぞれ「心の箱」、「体の石」と言われ、心の箱は舞面影面が保存しており、体の石は屋敷の近くに鎮座していた。
しかし、それらにはこれといった特徴はなく、「解く」とはなんなのかすら見当もつかない。
また「面」に関してはいまだそれと言われるものは見つかっていなかった。
この3つのキーアイテムを調査していくことで物語は進んでいく。
「面」を被った少女、「みさき」
突然、真面たちの前に現れた面を被った少女。彼女は自身を「みさき」と名乗った。
見た目は中学生ほどだが、その人を食った態度やしゃべり方はとても中学生には見えない。
さらに、彼面の残した写真に、「面」を被った少女が写っており、影面も「面」を被った少女に会ったことがあるのだと言う。
彼女は一体何者なのか。また身につけている「面」は、遺言状にあった「面」が意味するものなのだろうか。
彼面が残した「よきもの」とは?
事業家であった彼面が残した「よきもの」。それは時代によって決して価値の変わるものではないのだと言う。
お金?宝石?いくつかの候補が挙がるものの、そんなものではないと告げられる。
果たして天才と言われた彼面が残した遺産とはなんだったのか?
終わりに
以上、「舞面真面とお面の女」を紹介した。
ちょうど3日ほど前に野崎まどの処女作、「[映]アムリタ」を読んだところ、その作風にハマったので連続で読んでしまった。
この作者は最後にどんでん返しを用意するのが好きなようで、今回も一杯食わされたような読後感が残った。
そういう展開が好きな人におすすめしたい作品。
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