(花山)これが直線裁ちだ。
和服で洋服を作るんだよ!
花山は誰でも手軽に洋服を作る事ができる直線裁ちを提案しました
(常子)雑誌のタイトルをこれにしてみませんか。
(花山)あなたの暮し…?私たちが目指す豊かな暮らしがここにあるような気がします。
常子と花山が目指した毎日の暮らしを豊かにする雑誌がついに完成したのです
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の」・「花束を君に」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「君を讃えるには足りないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の」・「花束を君に」
創刊号は直線裁ちのヒットで3万部を超える売り上げを達成し販売部数の増加に伴って経理の経験を買われた水田が正式に入社。
もう一人庶務担当として岡緑が加わりました
(緑)社長日程表です。
ご確認下さい。
もう…緑さんまた社長って。
ごめんなさい。
常子さん。
はい。
フフフ。
ありがとうございます。
あのそれと…。
今花山さんのお部屋に入っても大丈夫ですかね?進行表の件でご確認を頂かないと。
怖いなら一緒に行きましょうか?是非!はい。
(ノック)・失礼します。
(緑)失礼します。
やっぱり…。
何だ?そのあきれ顔は。
これは説明したように…。
はいはい。
頭の中を整理されてるんですよね。
ならとやかく言うな。
言ってませんよ。
言いたそうな顔だったんで先手を打ったんだ。
はぁ〜。
あの…進行表のご確認を…。
そこへ置いておいてくれ。
後で見る。
行きましょう。
はい。
(花山)待ちなさい。
何ですか?君ではない。
緑さんだ。
えっ?あなたはどんな家に住んでいる?
(緑)あの…普通の家ですが。
幸い空襲でも焼けずに。
それは何よりだ。
そうか〜…。
どうしたんですか?突然。
は…花山さん?水田君君はどんな家に住んでいる?
(水田)えっ…あ〜今もバラックです。
何か困っている事はないか?そうですね…あっ。
最近壁の隙間から猫が入ってくるようになっちゃって追い出そうか一緒に暮らそうか…。
そんなものがネタになるか〜!す…すみません。
私が言っているのは広く世間にも通じる住宅の悩みはないかと聞いてるんだよ!ひょっとして次号の特集は「住まい」ですか?ああ。
取り上げるべきだ間違いなく。
誰もが皆住まいへの不満を抱えている。
終戦直後国内の住宅事情は逼迫していました。
空襲によって多くの家屋が焼失し資材不足から12坪以上の住宅の新築・増築が禁止となり狭い空間での生活を余儀なくされたのです
(美子)あっ!何だ?どんなアイデアだ!?あっいえ知り合いからの手紙が。
そんな事で声を上げるな!すみません…。
どなたなんです?それが女学校時代からの恩師でして。
ひょっとして東堂先生?そう。
あっ!あ〜懐かしい字。
(鞠子)うん。
お忙しいところすみません。
あの…こちらに…。
はいはい。
東堂先生。
常子さん?会いに来て下さるなんて…。
あの…近くまで仕事で来たので会いに来てしまいました。
日曜日もお仕事?大変ねえ。
少しはお話しできて?ええ。
ではうちにお上がりになって。
はい。
ただ…とても狭いので覚悟して下さい。
広いおうちを建てられないのは存じ上げております。
確か12坪以下でしたよね。
ええ…こちらのお宅はそうなのだけどうちは…こっちなの。
こちらはうちの人の親戚のおうちでね。
私たちはこの物置に住まわせて頂いているんです。
ああ…。
どうぞ。
奥にお座りになって。
お邪魔します。
少しお待ち下さい。
あっはい。
(風の音)驚いたでしょ?六畳しかないの。
お台所もないからいちいち借りに行かなくてはならなくて。
さあどうぞ。
頂きます。
失礼しましたね。
いきなりお手紙を送りつけて。
いえ。
直線裁ちが気になって何気なく「あなたの暮し」を手に取ったんです。
そうしたら皆さんを見つけて思わず筆を!ウフフフ。
うれしかったです。
すばらしい雑誌だわ。
とても私の暮らしに役に立っています。
これは女性の友であり同志です。
ありがとうございます。
東堂先生に教わった挑戦する事の大切さを胸に奮闘しております。
「何事も女性だからといって恐れずに挑戦する事が大切です」。
先生のあの言葉があったから私は自分で出版社を起こそうと決意できたのだと思います。
女性だからといって自分の中に境界線を引いて諦めてしまう事を否定し背中を押して下さったからこそ今の私があります。
私は小さな穴を開けたにすぎません。
その穴に種を埋め水をやり日の光を注ぎ育て上げたのはあなたの周りの方々とあなたご自身よ。
先生は今も教師を?ええ。
50になってもなお。
教職者には定年がありませんからねこのまま体の許す限りは続けたいと思っています。
ではあと10年はできますね。
いいえ50年です。
フフフ…。
フフフ。
フフフフ。
アハハハハ…こんなに楽しい時間は久しぶりだわ。
いつもはうちの人と2人きりだから。
今日はご主人は?ええ仕事で。
確か書道家をなさっていると聞きました。
ええ…はい。
こうやって常子さんに来て頂くなら愛着のあった駒込のおうちにおいで頂きたかったわ。
たまにたてていたお茶のお道具や季節ごとの掛け軸なんて高価ではないけど好きな小物がいろいろあったのよ。
居間の一角に私の机があって廊下の一面が書棚になっていてね。
居心地のいい家だったの。
でも何もかも焼けてしまって…。
まさかこんな暮らしになるなんて…。
お帰り。
今日はお休みでは?いい構図が浮かんだ。
一気に表紙を描いてしまおうと思ってね。
いいですね。
知恵の輪ではなくお仕事をなさっている花山さんはすてきです。
知恵の輪も仕事の延長だ。
分かっております。
で…どうだった?原稿は受け取れたかい?ええ一応…。
実は…知り合いの家に寄ってきたんです。
先日の恩師か?はい。
空襲で焼け出され六畳の物置に2人でお住まいでした。
物置?先生は明るく振る舞って下さいましたがやはり以前とは何か違うような気がしました。
誰もが今生活に追われている。
次号もそういった人たちに役立つものにしたいのだが…。
ええ。
頂きます。
(一同)頂きます。
いいなあ。
東堂先生のお宅私も行きたかった。
そうよねえ。
抜け駆けして。
ごめんね。
急に思い立っちゃって。
(君子)先生は?お元気でした?…はい。
お変わりなく。
旦那様は?どんな方だった?あ〜お仕事に出てらしてお会いできなかったの。
でも次はお会いできるかな。
(美子鞠子)えっ?あっ次の日曜日にねお招き頂いたの。
よかったら鞠子さんも美子さんも是非って。
空いてる?えっ行きますとも。
うんうんうん。
(戸をたたく音)・お帰りなさい。
今日は風が強かったですね。
お寒くありませんでした?
(泰文)ああ。
ああいい。
このチヨとの再会が「あなたの暮し」の新企画へとつながっていく事になるのです
少し緊張する。
そうねそうね。
何話したらいいかしら。
生字幕放送でお伝えします2016/07/25(月) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(97)「常子、花山と断絶する」[解][字][デ]
常子(高畑充希)と花山(唐沢寿明)は、「住まい」を次号のテーマに決める。そんな折、東堂(片桐はいり)から手紙が来る。訪ねてみると、そこは殺風景で手狭な物置で…。
詳細情報
番組内容
昭和22年。常子(高畑充希)たちが創刊した『あなたの暮し』は、3万部を超える売上げを達成する。更に販売部数を伸ばすために、花山(唐沢寿明)が次の特集にと企画したのは、「住まい」についてだった。そんな折、美子(杉咲花)が、女学校時代の恩師・東堂(片桐はいり)から来た手紙を見つける。書かれた住所を頼りに訪ねてみる常子。焼け出され移り住んだというその場所は、家具も台所もないような殺風景な物置だった…。
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,利重剛,片桐はいり,伊藤淳史,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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