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面白ハンター

編集者でライターでブロガー。93年生まれ。 北海道在住。文章がライフワーク。noteでエッセイ書いてます。https://note.mu/okapo192

大学生におすすめの読みやすくて面白い小説12選

森沢明夫

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活字離れがどうのこうの叫ばれている昨今。

文章を生業としている僕にとって、これはかなり寂しい現実です。「少年よもっと活字を読め!と高らかに声をあげたいところです。

ところで、若者がなかなか本を読まない理由の1つに「大人が学生におすすめする本が難易度高め」という原因がある気はしませんか?読書はじめたてのうちは、さらっと読める本から導入して、活字に慣れていくべき。

そこで本日は大学生でも読みやすくて面白い小説をおすすめしていきます。

1.就活前にまずは読んどけ「何者」

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

桐島、部活やめるってよ 」でお馴染みの朝井リョウさんの作品。就活中の大学生が主人公です。

就活中に「個性」に悩みむ大学生。意識高い大学生。就活だりーとか言いだす大学生。それぞれを客観的に見るすごくモヤモヤする作品。大学生なら共感もできるだろうし、朝井リョウの鋭い視線に夢中になるはずです。

 

2.旅好き必読の1冊「旅のラゴス」

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

主人公のラゴスが旅をする中で奴隷になったり、王様になったり、家に帰ったり、また旅に出たりする作品。小説に「落ち」といえるクライマックスはなくて、ただひたすらに淡々と物語が語られていきます。

旅好きにしかわからない放浪の魅力に共感必至です。この1冊を読むと、自分が世界一周したような気分になりますよ。

 

3.仕事をするのが楽しみになってくる「舟を編む」

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説

出版社で辞書を作る部署の奮闘を描いた作品。宮崎あおいちゃんで映画化もされました。

大学生って「仕事したくないなー」って少なからず思っているはず。しかし、この1冊はそんなあなたの考えを覆してくれます。舞台は華やかさとは縁の遠い辞書作りの現場。仕事に情熱をかける登場人物の姿。素敵です。

 

4.田舎暮らしって悪くないのかも「神去なあなあ日常」

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

こちらも三浦しをんさんの小説。映画化されました。ちなみに主演女優の長澤まさみさんが可愛すぎてびっくりしたのでぜひ映画見てください。

高卒で林業の現場で働くことになった青年のお話。舟を編む同様に、なかなか光が当たらない汗臭い仕事の魅力、田舎暮らしの良さを感じられる作品です。主人公の成長を自分と重ね合わせてしまいます。

 

5.切なすぎるSF恋愛小説「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて──。

「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」

奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。

パラレルワールド系の恋愛小説。物語の意味を知ったとき、切なすぎて泣きました。実は恋愛小説が好きで、いろいろな作品を読んで来たんですけど、この作品以上に切ない…と感じるものはありません。

絶対に2周せざるを得ない…。もう胸が締め付けられる作品です。 

 

6.世の中の理想と現実を知る「火花」

笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説

売れない芸人徳永は、師として仰ぐべき先輩神谷に出会った。そのお笑い哲学に心酔しつつ別の道を歩む徳永。二人の運命は。

ピース又吉さんの話題の作品。賛否両論ですが、僕はめちゃくちゃ面白いと思ってます。お笑い芸人らしいくだらない描写が数多く又吉さんにしか書けない作品です。

火花を読むと「あぁ…人間って悲しいな」ってため息が漏れます。志を貫いている人ほど、どうしようもなく、現実に夢を阻まれているんですよね…。

 

7.逆境からの大逆転が爽快!「限界集落株式会社」

起業のためにIT企業を辞職した多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落だった。集落の消滅を憂う老人達、零細農家の父親と娘、田舎に逃げてきた若者。かつての負け組が立ち上がる!過疎・高齢化・雇用問題・食糧自給率、日本に山積する社会不安を一掃する逆転満塁ホームランの地域活性エンタテインメント。

田舎を訪れたひとりのエリートがひとつの村を再生させていくお話。ビジネスチックですが、とても勉強になりますし、どんどん形勢が逆転していく様子が痛快です。

そういえばこの小説がきっかけで地方に就職したいなーと思い始めたんだっけ。

 

8.泥臭くてもいい営業零課接待班

苦手な営業に異動となり、ついにリストラ勧告まで受けたマジオこと真島等は、接待専門の「営業零課」で再起を図ることに。落ちこぼれ社会人のマジオと仲間たちは修羅場を乗り越え、年間売上50億という無謀な目標を達成できるのか!?涙も笑いも挫折も成功も、「働くこと」のすべてが詰まった感動の営業小説。

人見知りなのに営業や接待の仕事をすることになってしまった主人公。自分のできることから少しずつ、仲間と協力しながら。不器用でも仕事に前向きに取り組んでいく術を学べる小説。これさえ読んでおけば、就職も怖くないぞ~。

 

9.絶対に最初から読み返します「イニシエーション・ラブ」

 

 僕がマユに出会ったのは代打で出た合コンの席。
やがて僕らは恋に落ちて……。
「必ず2回読みたくなる」と評された驚愕のミステリー

普通の恋愛小説…かと思いきや、最後の最後でどんでん返しが訪れる小説。女って怖いなぁ…って思ったり思わなかったり。

高校時代まで本を読まなかった僕が、読書にハマるきっかけをくれた本。読み終えたら絶対にはじめから読み返したくなります。最後の最後のページでえええええってなります。

 

10.世界一簡単な自己啓発本「夢を叶えるゾウ」

水野敬也 ミズノオフィス 2013-04-23
 

「お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで」ダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”。成功するために教えられたことは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかりで…。ベストセラー『ウケる技術』の著者が贈る、愛と笑いのファンタジー小説。

大好きな作家、水野敬也さんの本。自己啓発本でもありますが、笑いあり、感動ありのとっても読みやすい小説でもあります。

小説の主人公と同じように自分も行動を変えてみたら、きっと人生うまいこといきますよー。作中に飛び出すガネーシャのおやじギャグが良い味出してます。

 

11.この夏の有村架純ちゃん主演映画「夏美のホタル」

森沢 明夫 KADOKAWA/角川書店 2014-08-23
 

 写真家志望の大学生・慎吾。卒業制作間近、彼女と出かけた山里で、古びたよろず屋を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子に温かく迎え入れられ、夏休みの間、彼らと共に過ごすことに……。心の故郷の物語。

好きな作家は誰?と聞かれたとき、僕は「森沢明夫」と答えています。どこでにもあるようなストーリーですが、後半は涙が止まらなくなります。

森沢明夫さんの小説は情景が浮かびやすく、すらすらと読めてしまうのが特徴。人間の優しさに触れて、自分も身の周りの人を大切にしたくなる作品です。

 

12.複雑で、切なくて、不器用で、素直な恋物語「キラキラ眼鏡」

立花明海は、西船橋の古書店で普段は読まない自己啓発系の本を買う。すると、中に元の持ち主の名刺が栞代わりに挟んであり、気になった明海は意を決して名刺の「大滝あかね」に連絡をとる。会うと、あかねは明るい年上の女性で、日常の物事を幸福感たっぷりに捉えている“幸せの天才”だった。だが…あかねには恋人がいた。彼は病に伏し、余命宣告を受けているという―。

ナツミのホタル同様、泣きすぎて文字が読めなくなっちゃった森沢明夫さんの作品。一応恋愛小説ではあるのですが、ドロドロとした駆け引きのようなものはなくて、そこには人間らしい愛があるだけ。

後半にかけて感動的シーンが怒涛のように押しかけてきて、泣きまくり。家で1人で読んでね注意です。 

 

あーどれも本当に良い作品だー。

他にも自己啓発本、森沢明夫さんに関しては特集を組んでます!