ＩＯＣ ロシアとの亀裂避けたかったか7月25日 6時23分

ロシアによる組織的なドーピングの問題で、ＩＯＣ＝国際オリンピック委員会がロシア選手団の全面的な排除に踏み切らなかった背景には、スポーツ大国であるロシアとの亀裂を避けたかった思惑があるとみられます。

ロシアのロンドンオリンピックでの金メダルは参加した国や地域の中で、４番目に多い２４個でした。スポーツ大国のロシアが参加しないことになるとオリンピック全体の競技レベルが下がり、トップクラスの技や力を競い合うスポーツの祭典としての魅力は色あせます。
また、オリンピックの価値の低下は巨額な費用を負担しているスポンサーへの影響も懸念され、ビジネス面でもダメージにもつながるという指摘もあります。
それだけにＩＯＣの今回の決定は、バッハ会長の「とても難しい決定だったが、国全体の責任と個人の権利との間の判断でバランスを重視した」という判断に加えて、オリンピックに参加する国と地域の間の亀裂を避け、ビジネスとしてのオリンピックの価値を鑑みた決断とも言えそうです。