【社説】次に八百長が発覚したプロ野球チームは解散すべきだ

 韓国プロ野球で4年ぶりに八百長が発覚した。昌原地検は21日、2000万ウォン(約190万円)を受け取り八百長に加担した容疑で、プロ野球NCダイノスのイ・テヤン投手(23)を在宅で起訴し、同じ容疑で尚武(韓国軍体育部隊)所属で元ネクセン・ヒーローズのムン・ウラム外野手(24)を軍検察に引き渡した。一方で警察は2014年にマカオで数億ウォン(数千万円)単位の賭博を行ったとして、サムスン・ライオンズの安志晩(アン・ジマン)投手(33)を「在宅起訴が妥当」との意見書と共に検察に引き渡した。

 今回の八百長事件はブローカーではなく選手の側から持ち掛けたことが分かっており、このことが衝撃を一層大きくしている。イ・テヤンは昨年10勝5敗の好成績を収めたNCの主力投手で、年俸も1億ウォン(約930万円)を上回っている。そのような選手がムン・ウラムから提案を受け「1回1失点」「1回フォアボール」などを意図的に演出し、八百長に加担したというのだ。

 八百長はスポーツにおける最も悪質な犯罪だが、それでも数年おきに同じような形で繰り返されている。2012年には当時LGツインズに所属していたパク・ヒョンジュンとキム・ソンヒョンが八百長に手を染めていたことが発覚した。この事件直後、プロ野球を管轄する韓国プロ野球KBOと球団は一罰百戒と再発防止に向け効果的な対策を取ることを約束した。ところが同じような事件が今回またも繰り返され、当時の対策に実効性がなかったことが改めて示された。

 2012年当時もプロ野球界では「加担した選手は二人だけのはずがない」といった指摘が相次いでいた。それでもKBOは問題の根本的な解決には取り組まず、二人を除名することで幕引きした。昨年発表されたある論文によると、韓国国内の野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールのプロ選手のうち、5.5%が「八百長を持ち掛けられたことがある」と回答したそうだが、実際はもっと多いだろう。今後は「プロ選手10人中1人以上が八百長の提案を受けている」という前提で対策を進めなければならない。それにはまず選手にとって八百長など考えられないほど当事者への処罰を厳しくすべきだろう。球団も選手と共に責任を負い、問題が発覚した場合は強い態度でチームを解散すべきだ。もし今後プロ野球で再び八百長が発覚した場合には、次はKBOが責任を取る番だ。

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