ロシア選手団のリオ五輪出場 条件付きで認める IOC
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ロシアの組織的なドーピング問題で、IOC=国際オリンピック委員会は24日、ロシア選手について、厳しい条件付きでリオデジャネイロオリンピック出場を認めることを決めました。出場が認められる条件はすでに処分が出ている陸上を除く27の競技で、国外でのドーピング検査を受けて問題がない選手などとしていて、選手団の人数は減る見通しです。
IOCは、24日、電話による緊急理事会を開き、ロシアのドーピング問題を受けた声明を発表しました。
この中で、IOCは、一定の厳しい条件をクリアした選手に限りロシア選手団としてリオデジャネイロオリンピックへの出場を認めました。その条件については、ロシア国内でのドーピング検査に加えて国外で受けた信頼性のある検査で問題がなかった場合や、陸上以外の27の国際競技団体が独自のルールで出場を認めた場合、さらに、過去に一度もドーピングで処分を受けていない場合などとしています。
一方、陸上については、すでに国際陸上競技連盟が特例として出場を認めている1人の選手以外は今回の決定を踏まえても出場はできません。そのほかの27の競技でも条件を満たす選手は少ないとみられ、選手団の人数はロシアが決定している387人からは減る見通しです。
IOCのバッハ会長は今回の決定の理由について、「国全体の責任と個人の権利との間の判断でバランスを重視した」としたうえで、「組織的ドーピングには責任が伴うが、その一方で潔白な選手は出場するチャンスがあるべきだ」と説明しました。
IOCはロシアをオリンピックから全面的に排除しないことを決めた形ですが、ロシアの出場に反対の意向を示していたアメリカやドイツなどからの反発も予想され、開会式が10日余りに迫るなか、IOCが求心力を保てるかも注目されます。
この中で、IOCは、一定の厳しい条件をクリアした選手に限りロシア選手団としてリオデジャネイロオリンピックへの出場を認めました。その条件については、ロシア国内でのドーピング検査に加えて国外で受けた信頼性のある検査で問題がなかった場合や、陸上以外の27の国際競技団体が独自のルールで出場を認めた場合、さらに、過去に一度もドーピングで処分を受けていない場合などとしています。
一方、陸上については、すでに国際陸上競技連盟が特例として出場を認めている1人の選手以外は今回の決定を踏まえても出場はできません。そのほかの27の競技でも条件を満たす選手は少ないとみられ、選手団の人数はロシアが決定している387人からは減る見通しです。
IOCのバッハ会長は今回の決定の理由について、「国全体の責任と個人の権利との間の判断でバランスを重視した」としたうえで、「組織的ドーピングには責任が伴うが、その一方で潔白な選手は出場するチャンスがあるべきだ」と説明しました。
IOCはロシアをオリンピックから全面的に排除しないことを決めた形ですが、ロシアの出場に反対の意向を示していたアメリカやドイツなどからの反発も予想され、開会式が10日余りに迫るなか、IOCが求心力を保てるかも注目されます。
五輪組織委会長「クリーンな選手を尊重」
リオデジャネイロオリンピック組織委員会のヌズマン会長は24日、選手村の開村式に出席し、ロシアのドーピング問題に関連して「選手の出場は国際オリンピック委員会と各競技の国際連盟が決めることなので、組織委員会はその決定に従い、選手村に入ってくる選手をしっかりと迎えたい」と述べました。そのうえで、アンチドーピングの取り組みについては「組織委員会はドーピングをゼロにするという政策を強く支持し、クリーンな選手を尊重する」と話しました。
ロシア選手の証言きかっけに発覚
一連のドーピングの問題が明らかになったのは、ドイツの公共放送ARDが、おととし12月に放送したドキュメンタリー番組でのロシアの陸上選手の証言がきっかけでした。去年11月、WADA=世界アンチドーピング機構の第三者委員会が、ロシア陸上界の組織的な不正を認定し、国際陸上競技連盟は、ロシア陸上競技連盟に対する暫定的な資格停止処分を決めます。
ドーピングの問題は陸上競技だけにとどまりませんでした。ことし5月、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズなどが、おととしのソチオリンピックでも、ロシアが獲得した33個のメダルのうち、少なくとも15個についてドーピングの疑いがあると伝えたのです。
今月18日、WADA=世界アンチドーピング機構の調査チームは、ソチオリンピックのドーピング検査で、陽性反応を示した多くの競技の選手の検体がすり替えられていたと指摘し、ロシアで国家主導で組織的なドーピングが行われていたと認定しました。IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は「オリンピックとスポーツの信用に対するこれまでにない攻撃だ。問題に関与した個人や組織に対し、厳しい制裁を科すことも辞さない」という声明を発表し、電話による緊急理事会で協議することを決めます。
しかし、19日の緊急理事会では、ロシア選手団のリオデジャネイロオリンピック出場を認めるかどうかについては、結論が出ませんでした。IOCのバッハ会長は「前例がない難しい決断になる」としたうえで、「CAS=スポーツ仲裁裁判所が国際陸上競技連盟によるオリンピックへの出場資格停止処分の取り消しを求めたロシア側の訴えについて、どんな裁定を下すのか待つ」としていました。
21日、CASは、国際陸連の処分は妥当だとして、ロシア側の訴えを退け、ロシアの陸上選手は、原則としてリオデジャネイロオリンピックに出場できなくなりました。この裁定のあと、IOC=国際オリンピック委員会が、すべての競技についてロシア選手団のオリンピック出場をどのように判断するかが最大の焦点となっていました。
ドーピングの問題は陸上競技だけにとどまりませんでした。ことし5月、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズなどが、おととしのソチオリンピックでも、ロシアが獲得した33個のメダルのうち、少なくとも15個についてドーピングの疑いがあると伝えたのです。
今月18日、WADA=世界アンチドーピング機構の調査チームは、ソチオリンピックのドーピング検査で、陽性反応を示した多くの競技の選手の検体がすり替えられていたと指摘し、ロシアで国家主導で組織的なドーピングが行われていたと認定しました。IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は「オリンピックとスポーツの信用に対するこれまでにない攻撃だ。問題に関与した個人や組織に対し、厳しい制裁を科すことも辞さない」という声明を発表し、電話による緊急理事会で協議することを決めます。
しかし、19日の緊急理事会では、ロシア選手団のリオデジャネイロオリンピック出場を認めるかどうかについては、結論が出ませんでした。IOCのバッハ会長は「前例がない難しい決断になる」としたうえで、「CAS=スポーツ仲裁裁判所が国際陸上競技連盟によるオリンピックへの出場資格停止処分の取り消しを求めたロシア側の訴えについて、どんな裁定を下すのか待つ」としていました。
21日、CASは、国際陸連の処分は妥当だとして、ロシア側の訴えを退け、ロシアの陸上選手は、原則としてリオデジャネイロオリンピックに出場できなくなりました。この裁定のあと、IOC=国際オリンピック委員会が、すべての競技についてロシア選手団のオリンピック出場をどのように判断するかが最大の焦点となっていました。