【成都=原田逸策】中国・成都で開いていた日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は24日午後、「世界経済の成長を支えるために金融、財政、構造改革の政策を各国が個別に総動員する」との共同声明を採択して閉幕した。
今回のG20財務相会議は4月にワシントンで開いて以来。9月に中国・杭州で開くG20首脳会議の前の最後の財務相会議となる。
共同声明は世界経済について「回復は続いているが期待したほどではない。経済環境には挑戦があり、下振れリスクが残っている」と指摘。金融市場の動揺や地政学リスク、テロ、難民などの問題にふれた。
英国の欧州連合(EU)離脱決定を巡っては「世界経済に不確実性を増した」としながらも「G20各国は英国離脱の過程で起こりうる経済や金融面の問題に前向きに対処していく用意ができている」と指摘した。
為替政策を巡っては「競争的な通貨の切り下げは回避する。競争力を底上げする目的で特定の為替レートを目標にしない」とこれまでの文言を踏襲した。
閉幕後に記者会見した中国の楼継偉財政相は構造改革の進展を促す参考原則の策定で合意したことなどにふれて「今回の会議は構造改革の推進という点で記念碑的な成果を上げた」と強調した。