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【首都スポ】

高校野球 八王子、9回禁破り清宮勝負 昨夏準々決勝の雪辱

2016年7月24日 紙面から

準決勝進出を決め、大喜びの八王子ナイン(斉藤直己撮影)

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◇西東京大会 八王子6−4早実

 土壇場で“清宮対策”の禁を破った。「勝負するかしないか、お前たちで決めろ。そう伝令を出しました」と、八王子学園八王子の安藤徳明監督(54)。場面は6−3でリードの9回1死一、三塁。打者は清宮。スタンドに放り込まれたら同点だ。「得点圏に走者がいたら清宮とは勝負しない」という監督の指示通りここまで4度の打席で2度敬遠していたが、選手は勝負を選んだ。

 9回から登板した米原大地投手(2年)は「みんな、勝負しようの意見だった。自分もここで逃げたら、次の野村に対しても気持ちが逃げてしまうと思った」。バッテリーが勝負するとわかった瞬間、球場全体がどよめいた。そして、清宮は初球を強振、打球は右翼方向に飛んだ。歓声と悲鳴が交錯する中、フェンスまでわずかに届かず右犠飛。1点取られたが、勝負に勝った。

 八王子は“清宮シフト”も敷いた。左翼手が左中間から中堅寄りに、中堅手は右中間へ、右翼手はポール際の深い位置を守った。内野も右寄りに深く守り7回にはライトの定位置近くで二塁手が飛球を捕った。安藤監督は「これまでレフト方向に打っているのがほとんどなかったので、(シフトを)敷いた。初めてやってみました」。

 昨年は、神宮での準々決勝で早実と対戦し5−11で敗れた。細野悠捕手(3年)は「リベンジするぞと皆が強い思いで臨んだ。9回の場面は勝負でぶれなかった」。しびれる場面を乗り越えた八王子ナインが、初の甲子園に近づいた。 (山内明徳)

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