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【大相撲】

稀勢、白鵬に勝ち3敗死守 綱とりへ望みつないだ

2016年7月24日 紙面から

白鵬を突き落としで破る稀勢の里(左)=愛知県体育館で(佐藤雄太朗撮影)

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◇名古屋場所<14日目>

(23日・愛知県体育館)

 綱とりへ最後の望みをつないだ。大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は横綱白鵬を辛くも突き落とし、平幕貴ノ岩とともに3敗を維持して初優勝の可能性を残した。2敗の横綱日馬富士(32)=伊勢ケ浜=は大関豪栄道を上手投げで退け、単独トップを守った。日馬富士が24日の千秋楽で白鵬に勝つと、4場所ぶり8度目の優勝が決まる。白鵬は4敗目で3連覇の可能性が消えた。

◆負けていた…

 消えかけた悲願の明かりを何とかともし続けた。負ければ初優勝と横綱昇進が消滅する結びの一番。最初の立ち合いは不成立。2度目で稀勢の里が完全に立ち遅れた。一瞬にして土俵際に追い込まれたが、左足だけで残して白鵬を突き落とした。99・9%黒星の展開から大逆転。初V&綱とりに望みをつないだ。

 「完全に(やられていた)。まあ、結果ですね。最後だけですね」。紙一重の内容に不満だったのだろう。支度部屋で首をひねって舌打ちした。

 13日目に日馬富士から痛恨の3敗目を喫したショックも快眠で振り払えたようだ。朝稽古後に稀勢の里は「爆睡した。(目覚めは)最高だよ」と笑い飛ばした。順調にいけば、夏場所と同じく13日目の全勝対決を名古屋で繰り広げるはずだった。「決め打ちはしていない。場所はどうなるか分からないから。きょうはきょうでしっかり集中して」と話していた。対戦がずれても、最強横綱が右足親指を痛めていても油断はなかった。

 稀勢の里が11勝目を挙げたことで審判部は千秋楽に横綱昇進に関して協議する。二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は夏場所まで2場所連続13勝を踏まえ「(今場所)全部勝って12番でしょ。安定感はある」と12勝で初Vなら昇進の可能性をにおわせた。一方で、11勝止まりなら「振り出しでしょ」と綱とりがゼロからのスタートになる考えを示した。

◆人生懸けた一番

 悲願へ残された道は稀勢の里が本割で勝ち、日馬富士が負けて迎える優勝決定戦か、貴ノ岩を含めたともえ戦を制すること。「集中してやるだけですね。しっかり(力を)出し切っていく」。綱とり場所の最終盤は肝を冷やす闘いだっただけに、最後こそ得意の左四つで勝って締めたい。「もちろんそうです」。稀勢の里の人生を大きく左右するであろう1日は、見る者全てを納得させる結果を残す。 (永井響太)

 

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