速いか遅いかでも違うメタルになったりするんです。
世界中のSpotifyユーザーがポップ音楽よりも好むヘヴィメタルには、ブルータル・デスメタルやクリスチャン・メタルといったサブジャンルが数え切れないほど存在し、各ジャンルに熱心なファンがいます。
このサブジャンルがあまりにも細分化されすぎているのもまた、メタルの魅力の1つですが、音楽系blogを発信しているJared Dinesさんが、ドラム演奏でメジャーな10種類のサブジャンルを再現しています。
重たいロックに関心がないと、細かすぎて伝わらないドラミングかもしれません。ではもう少し理解しやすいよう、ザックリとテクニックやサウンド面での違いを見てみましょう。
ブラックメタル
マシンガン・ブラストでとにかく速く叩くのが特徴。悪魔サタンを崇拝する楽曲が多く、アングラな気分に後ろから追い打ちをかけるような感じに。
ニュー・メタル
1990年代後半のオルタナティヴ・ロックから進化したもの。このサブジャンルは他より多様性に富んだバンドが多く存在するのですが、ものすごくざっくり表現すると、豪快かつややポップなヘヴィ・ロックと言ったところでしょうか。
メタルコア
ヘヴィメタルとハードコア・パンクがミックスされたサブジャンルで、速くて激しいツーバスは必須。しかし、曲の途中でブレイクダウンが入ることでテンポが遅くなり、重たく刻まれるギター・リフと相まってモッシュを起こさせたりします。
デスメタル
上記のブラックメタルに似ていますが、複雑かつ速いリズムのスラッシュ・メタルに、地獄や死をテーマとした歌詞が特徴的。ドラムの手数は非常に多く、ブラスト・ビートなどの高速ドラム・パターンが織り込まれます。非メタラーが聞くともだえ苦しむこともあるようなので、注意が必要Death。
ドゥーム・メタル
まさに破滅するがごとく、ドロドロとして遅くて重いのが特徴。同時に威厳と重鎮的な印象を与える効果もあります。
ビートダウン
メタルと言うよりハードコアで多く取り入れられ、上記のブレイクダウンと同じく、テンポを落としてモッシュを発生させる効果を持つテクニックです。動画では手数が極端に少ない上、ドゥームっぽい音色でしたが……。
デスコア
デスメタルとメタルコアを足して2で割ったハイブリッドなジャンル。デスメタルの速さと重さ、そして曲間のブレイクダウンが入るのも特徴です。基本的に、この動画はどれもがやや大げさに演奏されているのですが、音の数(または手数)が繰り返し増減しているのが見て取れます。
ハードコア
メタルと言うよりは暴力的で激しいパンクです。高速2ビートと重いディストーション・ギターが鳴るため、音色やアレンジによっては、かなりスラッシュ・メタル寄りに聞こえる場合があるようです。
スラッシュ・メタル
メタリカ、アンスラックス、メガデス、スレイヤーが「スラッシュ四天王」として不動の地位を確立。
ザクザク刻まれる高速ギター・リフと叩きつけるような2ビートの高速ドラミングが特徴のサブジャンルです。ちなみに多くの非メタラーは、ヘヴィメタルに対してスラッシュ系のイメージを持っているのではないでしょうか?
ジェント
これは2000年代前半に提唱された新しいサブジャンルで、もともとは7弦や8弦の張られたギターで低音弦をパワーコード+ブリッジミュートで弾いた時に出る「ズン」というディストーション・サウンドを示す擬音でした。
しかし今は変拍子の入った複雑なリズムを奏でるサブジャンル、もしくはそうした演奏を行うムーヴメントとしても定着していることを踏まえ、オックスフォード英語辞典にこの単語を乗せようという運動も起こっています。
ヘヴィメタルはドラムだけでなくギターのスタイルやヴォーカルの声の出し方、さらには衣装やメイクなど複合的な要素でサブジャンルが分かれることがあります。
いずれにせよ、どのサブジャンルにもすさまじい足筋とテクニックが必要。みなさんがお好きなのは、何メタルでしょうか?
source: YouTube
(岡本玄介)