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「安保法違憲」の訴え却下 津地裁

 集団的自衛権の行使を認めた閣議決定と安全保障関連法は憲法9条に違反するとして、元三重県職員の珍道(ちんどう)世直(ときなお)さん(77)=津市=が国に無効確認を求めた訴訟の判決で、津地裁は21日、訴えを却下した。

 岡田治裁判長は判決で「閣議決定は内閣の意思決定にすぎず、ただちに国民の具体的な権利に影響を与えないため、法律上の争いに当たらない」と指摘。安保法についても「違憲かどうかの抽象的な判断を裁判所に求めることはできない」と、判断を示さなかった。平和に生きる権利が脅かされ、苦痛を受けたとして求めた10万円の損害賠償は「抽象的で認められない」と退けた。

 珍道さんは「集団的自衛権の行使は海外での武力行使や交戦に道を開き、憲法9条が許容する自衛の範囲を超える」と、閣議決定と安保法の違憲性を訴えていた。判決後、控訴する方針を明らかにした。

 安保法をめぐっては各地で個人と集団の訴訟が起きているが、個人訴訟では「具体的な事件を離れ、裁判所が抽象的に合憲性を審査する権限はない」と、却下する判決が続いている。

 珍道さんは2014年にも同様の訴えを東京地裁に起こしたが、一、二審とも退けられ、最高裁も上告を棄却している。

(中日新聞)

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