07月24日 09時23分
約2000年前の古代ローマの都市ポンペイとその周辺の遺跡から出土した壁画の展示会が、名古屋市博物館で開かれています。
イタリア南部にあったポンペイは、西暦79年の火山の大噴火で滅びたとされる町で、周辺地域も含めた遺跡は古代ローマ文明を伝える貴重なものとして世界遺産に登録されています。
展示会は、遺跡から出土した壁画を通じて当時の芸術のすばらしさを感じてもらおうと名古屋市博物館などが開いているもので、79点の壁画が展示されています。
このうち、日本初公開の壁画、「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」は、ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスが鹿に育てられていた息子を奇跡的に発見した一場面を描いています。
人の表情や動物のしぐさが写実的に描かれ、美術の水準の高さを示しています。
また、ポンペイ郊外で見つかった壁画は、ぶどう農園の建物の食堂に飾られていたとみられ、ぶどう酒の神、「ディオニュソス」が描かれています。
長さ16メートルに及ぶ壁画で当時の部屋の様子が再現され、訪れた人たちは鮮やかな壁画に見入っていました。
名古屋市博物館の横尾拓真学芸員は、「巨大な壁画を通じて当時の人たちがいかにすばらしい芸術を残してきたか知ってもらいたい」と話しています。
「世界遺産ポンペイの壁画展」は、名古屋市博物館で9月25日まで開かれています。
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