【都知事選】小池氏、原点に戻す覚悟!強みは国際性、海外への発信力生かす

2016年7月24日10時0分  スポーツ報知
  • 開幕まであと4年となる2020年東京五輪について語る小池百合子氏

 2020年東京五輪の開幕まで24日であと4年となった。五輪をめぐっては、新国立競技場建設問題、予算の大幅な膨張など課題が山積し、東京都知事選(31日投開票)でも一つの争点となっている。スポーツ報知では、注目されている小池百合子元防衛相(64)、増田寛也元総務相(64)、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)の3候補を取材。東京五輪・パラリンピックへの思いを聞いた。掲載は立候補表明順で、第1回目は無所属で出馬した小池氏。(江畑 康二郎)

 東京五輪まであと4年。小池氏は、どんな大会を描いているのだろうか。

 「みんなのオリンピック・パラリンピックにしたい。昨年はスポーツ議連の集まりで新国立競技場建設費に関して、寄付をしてくれた人に(新設される)座席の裏に名前を入れたらどうかと提案した。麻生大臣(財務相)に『たまにはいいアイデアが出るもんだ』と言われた。寄付を活発にして、足りない部分を補う。そうすることで国民の参画意識も高まるのでは」

 前回の1964年大会。12歳だった当時の記憶は鮮明だという。

 「(初の五輪マラソン連覇の)アベベですね。小学6年のころ、兵庫県の自宅の白黒テレビで観戦していた。すごい速さで懸命に走り、グリコポーズみたいな格好でゴール。子供ながらに心打たれました」

 あれから半世紀。そもそも五輪・パラリンピックの招致は賛成だったのか。

 「招致には大賛成。よく勝ち取れたなと思う。2020年というのは国内の高齢化が進み流れが大きく変わるとき。そういう時に国際的なビッグイベントがやってくることで日本が元気になるきっかけになる」

 だが五輪をめぐっては問題が頻発している。まずは都の支出。新国立競技場建設の負担額が395億円に決定。五輪関連の恒久施設新設費は一時、当初予定の約1500億円から最大3倍にまで膨張した。

 「積算根拠をはっきりさせなければいけない。おすし屋さんじゃないんだから、時価というのは困る。私は日本ウエイトリフティング協会会長でJOC(日本オリンピック委員会)の一員でもありますが、お金の使い方は全く見えない」

 都知事選の公約で「五輪関連予算・運営の適正化」を訴えている。

 「コンパクト五輪と言っていたわけだから、もう一度、原点に戻すぐらいの気持ちで臨む。都民の納得を得られないままで都民の負担を増やせない。ただ将来的に価値があるのであれば、お金をかけることも必要。例えば(新国立競技場の仮設)サブトラックを取ってしまったら、後で世界的な競技が成り立たない。舛添(要一前都知事)さんが決めたことを変更することも視野に入れる。現状を把握した上で情報開示や説明責任を果たしたい」

 昨年から新国立競技場建設計画見直しや五輪エンブレム撤回、聖火台設置の不備など問題が相次ぎ、大会組織委員会や日本スポーツ振興センターが批判された。

 「とても不透明。誰がいつ、どこで、何を決めているのか分からないから、不信感が生まれる。組織としてガバナンスが問題だと内部の人から聞いた。職員の士気の低下が心配。組織の透明化が必要です」

 不仲説がうわさされる組織委の森喜朗会長の印象は。

 「森会長にはいつも厳しくご対応いただき、学ばせていただいております。ただお偉い方だから『進言しにくい』という声もある。大会を成功させるために連携できるよう努力します」

 当選した場合、順調なら五輪直前に次回の知事選を迎える。2期目への意欲は。

 「1期目にすべてをかけようとしているのに2期目のことは考えられない。もちろん任期を全うする」

 他の候補者にはない強みは何か。

 「国際性。海外への発信力。あとは都民や国民を巻き込んでムーブメントを起こせるところでは」

 ◆小池 百合子(こいけ・ゆりこ)1952年7月15日、兵庫県芦屋市生まれ。64歳。76年、カイロ大学文学部卒業後、ニュースキャスターに。92年、日本新党から参院選で初当選。翌年、衆院選当選。94年、新進党結成に参加。98年に自由党、2000年には保守党に参加。02年、自民党に入党。03年、小泉政権で環境大臣に就任し、夏の軽装化キャンペーン「クールビズ」を提唱。07年、第1次安倍内閣で女性初の防衛大臣に起用された。

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