田舎に住んでいるといまいちピンと来ないのだが、世の中保育園に入ることが出来ずに待ちになっている、いわゆる待機児童がまだまだ沢山いる。
しかも、下記の毎日新聞の記事によると、「隠れ待機児童」と呼ばれる、自治体なんかのカウントに含まれない待機児童が多数存在するという。
毎日新聞の独自調査では…
回答のあった152市区町村の4月1日時点の待機児童数は前年より833人(5%)少ない計1万7661人で、減少傾向にある。ただし、保育所などに入れなくても待機児童に数えない「隠れ待機児童」は5万801人に上り、前年より5903人(13%)増加。保育環境が改善したとは言えない。
となっていて、実際の数値よりも遥かに多い児童が待機状態になっているとされている。
厚生労働省の平成27年度の調査結果によると…
平成 27 年 4 月の保育園等の待機児童数とその後 (平成 27 年 10 月時点)の状況について
平成27年4月の待機児童数は23,167人だったが、年度途中に育児休業明け等により保育の申込みをしたものの入園できない数は、10月時点で22,148人増加した。
となっているため、ある程度の隠れ待機児童の数は把握している模様だが、上記記事にあるように、自治体のさじ加減で待機児童にカウントしなかったり、隠れ待機児童にするためにわざと希望の保育園ではない場所を指定するなどしている場合、素直に厚労省にその数を申請しているとは思えない。そう考えると、実際は昨年10月の45000人よりも遥かに多い数の待機児童が全国に存在することになる。
今の時代、保育園を利用せずに子育てを出来る余裕のある家庭がどのくらいあるのかちょっと不明なのだが、もし自分が保育園を利用できなかった場合は、自分か妻のどちらかが仕事を辞めない限り、娘を育てていくことはかなり困難な道のりになる。正直いって、我が家は第1希望の保育園にすんなり入れたから、保活というものを経験していないのだが、都市部でかなり神経をすり減らしながら保育園を探しているという話もよく聞く。
だが、たとえどちらかが仕事を辞めたとしても、今度は経済的な問題が立ちはだかる。はっきり言って詰みである。会津若松は子供の医療費が無料なので、そういう意味ではかなり助かっているが、果たして一馬力で子供を育て上げることが出来るのかと言われると、かなり難しいと言わざるを得ない。
都市部では仕事も多いし、給料も田舎より高いとはいえ、年々20代の年収が下がり続けている世の中、保育サービスを活用せずに子育てを行っていける若者が大勢いるとはとても思えない。
前述の毎日新聞の記事では、きちんとした「待機児童の統一定義」が必要だと結論づけているが、それをお役所に望むのは難しいのかもしれない。今までが今までだったのだから、実は待機児童はこんなにいました!という結果になるような定義を今更お役所が作るとはとても思えないからだ。
そう考えると、こういう問題はどんどん負のスパイラルに陥っているような気がする。解決の糸口が見えない。そもそも解決なんて可能なんだろうか?
一人の市民として、そんな状況に陥っている今の日本を憂いることしか出来ないのが歯がゆい。
娘が大人になった時に、この国は輝いているのだろうか。
それとも…