ドイツ「安全神話」に幕か=大規模テロの不安拡大-ソフトターゲット対策なく
2016年07月23日 16:49 発信地:ドイツ
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【7月23日 時事通信社】フランスやベルギーで昨年以降、テロの惨劇が相次いだ中でも、ドイツはこれまでテロリストの大規模な犯行を未然に防いできた。だが今回の銃乱射事件は現場となった主要都市ミュンヘンのみならずドイツ全土を震撼(しんかん)させた。テロの不安を一気に高め、ドイツの「安全神話」は終わりを迎えつつある。
DPA通信は「テロがついにドイツにも押し寄せたようだ。完全な(テロ)対策がないことも明らかになった」と報じた。ドイツでは今月18日、南部ビュルツブルク近くの列車内で、アフガニスタン出身とみられる少年に乗客らが刃物で襲撃され、5人が重軽傷を負った。少年は過激派組織「イスラム国」(IS)の影響を受けており、ドイツではテロへの警戒が強まっていたところだった。
デメジエール内相はビュルツブルクの事件を受け、「(テロ)攻撃を常に防げるという保証は残念ながらない」と発言。独当局はこれまで国内各地で、テロとの関連が疑われる人物の関係先を捜索し、市民への無差別的犯行の兆候に目を光らせてきたが、銃乱射は内相の言葉を裏付ける結果となった。
独政府は2001年の米同時テロ後、テロ対策強化のための法整備を再三実施した。ただ今回の事件で、市民が多く集まり、警備が比較的緩い「ソフトターゲット」を守る難しさがドイツでもあらわになった。現実的な追加措置は限られるが、監視カメラの増設や警官の増員、関係国との情報交換の活発化など、あらゆる対応が今後議論されるのは必至だ。
DPA通信は銃乱射について、ブリュッセルやパリのテロほどの犠牲は生まなかったとしながらも、「(大規模テロの)流れに向かっているのではないか」と指摘した。(c)時事通信社