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選手会が異例通達「橋本清氏と関わるな」 反社との橋渡し疑惑 本人は「寝耳に水」

夕刊フジ 7月23日(土)16時56分配信

 プロ野球12球団の選手会が、現役引退後も評論家として活躍している元巨人投手の橋本清氏(47)と選手との交際を禁止する申し合わせをしていたことが21日までに分かった。日本野球機構(NPB)が徹底マークしている元暴力団員との交際疑惑が原因とみられる。球界では巨人の現役4投手が解雇となった野球賭博事件、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され有罪が確定した巨人OB・清原和博氏の一件など不祥事が続発。温床となる反社会勢力の徹底排除に向け、大物OBに異例の措置を取った。

 福岡市内で15日に開かれた労組・日本プロ野球選手会の臨時大会。来春のワールド・ベースボール・クラシックや、今季導入され現場で混乱が広がったコリジョン(衝突)ルールが議題に上がったが、これだけではなかった。

 球界関係者は「今後は橋本さんとの付き合いをやめるよう、選手会を通じて各球団の選手に通達することになった」と明かす。時節柄、反社会勢力への注意を改めて喚起するならまだしも、12球団の選手たちが足並みをそろえ特定の個人との交際を禁じるのは異例。しかも表沙汰にせず非公式の申し合わせとなった。

 当事者となった橋本氏は、これまで野球協約違反などでNPBから処分を受けたことや、警察に厄介になるような違法行為や不祥事を起こしたこともない。

 高校時代は名門・PL学園のエースとして1987年の甲子園大会で春夏連覇。同年のドラフトで巨人に1位指名され入団。長嶋監督が率いたチームでセットアッパーを務めた。2001年の現役引退後は、華やかな球歴と軽妙な語り口、そして幅広い人脈を買われて、テレビやラジオでの解説、新聞や雑誌での評論活動などを行ってきた。

 ただ、球界内外の広い交友関係はアダにもなる。以前所属していた芸能事務所は裏社会との関わりが疑われ、橋本氏を介して巨人の現役選手との間でトラブルに発展したこともあった。

 在京球団フロント関係者は「6月末にNPBからある元暴力団員の手配書が回ってきて、顔写真や氏名などが詳しく書かれてあった。球場にも頻繁に出入りしている。橋本さんに関して公式なものはないが、今回の選手会の動きもこれとセットの話だろう」と認識する。

 選手会関係者は「そういう(反社の)人に選手を引き合わせるのはまずい、ということ」と説明。暴力団員等との交際、金品の授受、饗応などを禁じた野球協約180条を念頭に置いた措置ということになる。

 橋本氏は高校で2学年上だった清原氏と寮で同部屋になって以来、交流してきた。2月の清原氏の逮捕後は関連を疑う憶測が飛び交ったが、今春の巨人キャンプを取材で訪れた際は門前払いを食うこともなく高橋監督と歓談。指揮官と車に相乗りして練習場内を移動するなど、気心の知れた間柄をアピールしていた。

 ところが半年もたたずに状況は一変した。球界に巣くう裏社会の住人との橋渡し役と認定されたのなら、事実上の球界追放は免れない。

 夕刊フジは21日、都内で橋本氏を直撃。今回の通達に「寝耳に水。どうしてそういうことになったのか経緯が知りたい」と戸惑いを見せたが、元暴力団員との関係については次のように反論した。

 「前の事務所の紹介で2、3度会ったが、芸能関係の人と聞かされていた。反社と知っていたら付き合わないし、そういう話を聞いてから2010年12月ごろを最後に連絡も取っていない。選手を紹介もしていないし、自分を反社と同じように見られるのは不本意だ」

 濡れ衣だとすれば選手会側の勇み足だが、NPBが各球団に手配書を回すなど徹底マークする元暴力団員との“黒い交際”の疑惑は現在も晴れていない。橋本氏にとどまらず、球界全体に波及する可能性がある。

最終更新:7月23日(土)17時19分

夕刊フジ

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