仮面病棟
著:知念 実希人 発行元(出版): 実業之日本社文庫
≪あらすじ≫
療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る―。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。そして迎える衝撃の結末とは。現役医師が描く、一気読み必至の“本格ミステリー×医療サスペンス”。著者初の文庫書き下ろし!
(文庫本裏表紙より抜粋)
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≪感想≫
現在では短いスパンで続編がリリースされる人気シリーズとなった『天久鷹央シリーズ』の知念さんが2014年末に出した作品。
とはいえ『天久鷹央シリーズ』とは毛色は全く違くなっており、重厚な医療系ミステリーサスペンスという形になっている。ミステリーというよりはどちらかといえばサスペンスに近く、緊迫感や臨場感が良い。
最初は籠城事件だが、少しずつその裏側にある真実に近づいていく形もサスペンスらしくていい。
同じ医療系でも『天久鷹央シリーズ』ではやや扱いづらい闇市場での臓器摘出・臓器転売というハードで重い部分を軸としているのも雰囲気が変わっているところが面白い。
評価は、★★★★☆(4.5点 / 5点)。医療系ミステリーサスペンスとしては良く纏まって完成度の高い一冊だと思う。
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