ポケモンGoのヒットの裏で、IngressもAppStore上位に食い込んでいます。といっても、その多くはポケモンGoのおまけアプリ的な位置づけでしょう。もったいないですね。
さて、IngressはポケモンGoの原作のような位置づけですが、それを支えてきたプレイヤーに関しては長い間謎に包まれていました。
それもそのはずです。
多くのプレイヤーは自らをAG(=工作員)と位置づけ、闇に紛れ人混みに姿を隠し月明かりを避けて黙々と活動してきました。その姿はときに修行僧のようであり、傍目からは不審者として映ることでしょう。
そんな不審者達、ポケモンGo勢にとっては先輩面した胡散臭い連中に思われているようですが。
というわけで、IngressのAG、もといイングレスおじさんにまつわる不思議すぎる実態を報告したいと思います。なお、ここに書いてあることの多くは超機密事項に該当するものです。取り扱いには注意してください。
エージェントってこんな感じ
AGというのは、私のように小理屈を並べるの好きな妙に意識高い系怖いの集団という印象がありませんか?たぶんその認識は当たらずと雖も遠からずという感じです。
私見ですが、
- おっさんや”お姉さま”ばかり
- 自分の趣味嗜好を存分に語る系のオタクが多い
- ガジェオタ・チャリンカス・ランキチ・酒飲み
- 社畜・家畜自慢
- いわゆる技術者系が多い
FF(Ingressの補給方法)をしに公園に集まると、まあこんな感じの人達がたくさんいるわけです。当然、若者は引きますよ!
実際には若者や美人なお姉さんもいたりするのでこれが全部当てはまるわけではありません。しかし、Ingressのユーザー層というのは、若者向けのカジュアルゲームとは全然違っているものだと思ってください。
まじめに言うとですね、エージェントのスペックってかなり高いのです。一緒に大規模な作戦をすればわかります。社会的な経験豊富であり、技術職や職人系の人が多数存在するのでもの凄いハイレベルなこと平気でしています。そしてとってもやさしい。
使っているSNSが超マイナー
AGが普段の交流をしているSNSというのは、ツイッターやLINEやFacebookなどのよくある手段とは違います。
- G+ (Googleプラス)
- HO (ハングアウト)
この2種類が基本的なツールです。前者はFacebookのようなもの、後者はFacebookメッセンジャーだと思ってください。
どうしてこんなマイナーアプリを使うかというと、Ingressの認証システムがG+であるためです。そのつながりでハングアウトというチャットアプリを使用しています。
使っているSNSがここまでマイナーであるため、Ingressの話題というのは他のSNSに波及することがほとんどありません。FacebookでIngressの話なんかまるで聞きませんでしょう?なので、AGの多くは「ググタスはAKBかIngressか猫の話題しかない」と思っています(※一部の意見です)。
SNSによる分断があるためAG達の活動は公に出ることはなく、独自の進化をしてきました。一般ユーザーと違うSNSを使っていればどうなるかはわかりますよね?後述しますが、それが各種の作戦等につながります。
チャットでは基本的に猫や飯の話しかしない
他のゲームではよくわかりませんが、少なくともAG達が使うHangoutsというチャットアプリではIngressの話題は全体の3割ほどです。大抵は愚にもつかない日常の話題がほとんどです。そしてその多くが「猫(その他ペット)」や「食べ物」「酒」ばかりという有様です。
こんなふうに飯テロを毎日のようにしています。酷い有様(褒め言葉)ですね。こんなことばかりしているから(ry
年に数回はお巡りさんのお世話になっている
ポケモンGoをしていて警察官から職質を受けたことある人も多いはずです。しかし、位置ゲーの先輩格であるAG達にとって、それは日常のことなのです!( ̄⊿ ̄)
AGは別名「不審者」と呼ばれることから分かるとおり、1人で行動していてもトンデモなく奇妙な動きを常にしています。
- スマホを凝視していたかと思うと周囲をキョロキョロする
- 同じ場所で屯しているかと思うとふいに歩き出す
- 神社や公園、店先等に用もないのに訪れる
特にFFのような補給イベントや、アノマリーのような公式イベントでは大量の人が集まる傾向があるために、端から見るとトンデモなく奇妙な集団に映ります。それを見た人によれば、とにかく気持ちが悪いそうです。
私自身も3回ほど職質にあっています。より上級者?は警官に顔を覚えられたあげく「あーIngressですよね」と言われる始末。かないません。
しかし、いまはポケモンGoに話題を取られたらしく怨嗟の声も聞こえます。というか、Ingressしていたら「ポケモンですか?」と聞かれた時は本当にショックでした。
深夜に公園や神社を徘徊しているのは補給しているからです
深夜の公園等で不審な動きをしている集団を見たことありませんか?全員がスマホをもって凝視し、立ち止まったり歩いたりを延々としているのです。
実はこれ、Ingressの代表的な補給方法であるFF(FlashFarming)を行っているのです。詳しいことは割愛しますが、アイテムを数十分で集めるために大勢が集まる必要があるのです。
ポケモンGoの影響でこれが中々できないと嘆くエージェントがいます。もしも、黒画面を眺めながらうろちょろする人見たら「あ、補給しているんだな」と思ってください。
上級者が異次元すぎる
ガチ勢はライト層とは明らかに異なります。何が違うって、その規模が違うのです。
- リアル課金が半端ない
- 遠征と称して数百キロを移動する(例:東京 -> 沖縄)
- たまに海外にも行く
- 海外ユーザーとの交流をするようになる
- 公式イベントがなくとも自主的な作戦やイベントを企画してしまう
- 家族を巻き込む
- 献血をする
- 身体を鍛え始める
- 同人グッズ(Swag)を作り始める
- 名刺という名の不審者カードを作り交換しあう
ここでは代表的なリアル課金と作戦についてお話します。
リアル課金
Ingressで特徴的なのが「リアル課金」の存在です。ゲーム内のアイテム課金はあるのですが、実際にはそれほど多く使うことはありません。またそれらへの課金額もごく少額です。
リアル課金とは、主に移動手段やスマホ等のガジェットに費やされるお金のことです。多くの人が、モバイルバッテリーや自転車のスマホマウントなどの物理アイテムを購入したり、電車やガソリン代などの移動手段へ投資しています。
Ingressをこじらせた人の中には、台湾のイベントに飛んだり、イベントの移動手段にリムジンを使ったりとかなりぶっ飛んでいます。
自分の場合は、スマホ2台、自転車2台。その他もろもろお金かかっています。やばいですね。
イベントがなくとも自主的に作戦やイベントをしてしまう
Ingressはとてつもなく自由度の高いゲームです。単なる三角形を作ることしかできませんが、その手法や規模や目的に応じて様々な作戦へと変貌します。
たとえば以下の様な作戦が2015年に行われていました。
【参考】Ingressという「神々の遊び」の中で行われた10の作戦が凄すぎるので紹介してみる #ingadv2015
他にも、直近では以下の様なフィールドアートも作られています。
また、作戦以外にも自主的に各地でAG達はイベントを立ち上げています。毎月第一土曜日には「FirstSaturday」という初心者向けイベントが各地で開催されています。他にも地方自治体と協賛してIngressのイベントを行っている例もたくさんあったりします。
たかがゲームにここまで真剣に立ち向かえる不審者は珍しいですね。
というわけで、IngressのAGっていうのは、ゲームの中で完結せずに外に向かっていく傾向があったりします。
迷惑なユーザー
AGの中には迷惑なユーザーも少なくありません。
エリアボスやストーカー
Ingressは現実世界を使った陣取りゲームです。また自分の活動範囲というものが限定されやすいために、特定箇所における活動を中心に行うユーザーが比較的多いことで知られます。つまり、自分の活動範囲において周りとの軋轢を生む機会も増えるといえます。
その悪質な例がエリアボスやストーカーの存在。エリアボスは特に地域コミュ内に発生しやすいと言われます。端的な説明はこちらの記事を参照してください。また、普通のエージェントがほかの人を付け回すこともあったりします。
地域コミュ内にて「あのポータルを反転したやつ出てこい」などの発言をしたら要注意ですね。
MMO等でよくあるギルドマスターのようなものですが、Ingressではより面倒な存在だといえます。
ただ、そういう変な人達に巻き込まれたときにはモデレータという公式が認めた世話役の人たちに相談するのが最適です。公式に問い合わせても絶対に解決はしません。なお、モデレーターは各地域に多数存在するので、コミュニティに入ったらぜひ問い合わせてみてください。
複垢・位置偽装
複垢や位置偽装は違反対象です。見つかれば確実に垢BANされます。
確かに人より有利になるかもしれませんが、信頼の下で成り立っているゲームなのでそういう違反は絶対にNGです。悪いことに若者だけでなく、いい年した大人がこれをしているのですから開いた口が塞がりません。
Ingressに興味あるけど、どうしたらいいのかわからない人へ
ポケモンGoの付録アプリではなく、純粋にIngressをはじめてみたいという方もいるはずです(たぶん、きっと、おそらく)。そういう方たちへ簡単なアドバイスです。
攻略法ではなくゲームとしての面白さを発見した方が良い
Ingressの攻略方法は簡単です。複数のアカウントを作ったりGPSを操作して世界中を飛び回ったりすれば簡単に様々なことができます。チートアプリを大量に取り入れればすぐでしょう。
しかし、それはゲームとしての違反行為ですしペナルティーをつけられます。さらにいえば、そんなことをしても全く楽しくもありません。
楽をしたいのは誰でも同じですが、せっかくのならば自分の足で歩き、自分1人の力でどこまでできるかをチャレンジしてください。多くのプレイヤーはわざわざお金と時間を掛けてIngressをプレイしています。それは、そうする過程に意味があるとわかっているからです。
一時的な熱狂よりもダラダラ続ける方が良い
ゲームに熱中するしても、飽きたらさっさと辞めてしまうことも多いはずです。Ingressも例外ではありません。初めて1ヶ月は猛烈にがんばっていたのに、半年もたたず活動停止することもしばしば。
私の実感としては、位置ゲーは実生活に根付いたゲームであるためにダラダラとプレイしていたほうが楽しいと感じます。私はもうすぐIngressの活動歴2年に達しますが、最近は本当にダラダラとしています。でもスキャナーを開けばいつもの世界が広がっているので純粋に楽しいです。大きな三角を作らなくとも、そこに別の誰かの痕跡を発見できたりするので、とても生活感があります。
そして、公式イベントや突発的な作戦をするときの高揚感を時々味わうのが良い。自分のペースでダラダラプレイできるのと、それで他から置いてきぼりをくらうこともありません。他のゲームでは中々ないことですね。
ソロでもコミュニティに入っても結果は同じ
よく「Ingressをするならばコミュニティに所属しましょう」と掲げる人がいますが、別に入ったからといってメリットが有るばかりではありません。コミュニティに所属したとしても、実際にその人たちと集団で行動するわけではありません。MMOのギルドのような団体行動をとることは極めてまれです。殆どはソロによる活動ですし、完全にソロだとしても何の問題もありません。
端的に言えば、コミュニティに所属するのは情報源を得る目的だけで十分といえます。そこに入ることで何かを強要されるということは滅多にないはずです。殆どは地域のコミュニティであり、基本的にはIngress関係ないことをダベっているだけ。
そのコミュニティでFFをすることもありますし、作戦募集をする場合もあるでしょう。参加していて困ることはないです。ただし、補給自体は都会ならばさほど困らないですから、無理に入る必要もありません。結局、楽しめる方法の一手段でしかないのです。
合わなければそっと閉じてください
Ingressの何が面白いのかわからないという意見はよく聞きます。実際、最初の方はよくわかないはずですし最後まで面白さを理解できない人も相当数います。
でもそれが普通であり、私たちの方こそ異常かもしれません。なにせ、XMを大量に浴びているのですから。
最後に
不審者情報という名のIngressの宣伝になってしまいましたが、ご自愛ください。振り返れば、Ingressというのはユーザー主導で盛り上げてきた経緯を感じ取れると思います。開発元はプラットフォームを作ったりするのが仕事で、そこでエージェント達が創意工夫をもって自由に遊ぶ文化があるのです。
Ingressについては不明な点も多いかもしれないですが、実際はとっても簡単です。ある意味でポケモンGoより単純なのです。
もしも、イングレスおじさんたちを見かけたら気軽に声をかけてください。Ingressをやりたいといえば丁寧に色々教えてくれるはずです。