問題なのはタイミングではなく「記事の真実性」

 鳥越氏の説明責任に関する批判の一方、選挙戦のさなかに掲載された記事をめぐって「政治的背景」があるとの指摘もある。鳥越氏自身、21日午前の民進党都連の会議で「単なる週刊誌の記事というより、何か政治的な力が働いたと感じる」といった内容の発言をしたほか、民進党の岡田克也代表は「このタイミングで出てきたことは非常に不自然」と不快感をあらわにした。

 ただ、刑事事件に詳しい元東京地検検事の落合洋司弁護士はネットメディアの取材や自らのツイッターを通してこうした内容の発言をしている。「問題なのは(選挙中という掲載時期ではなく)記事の真実性。どこまで裏付けをとったかが大きく問われる」「名誉棄損で告訴しました!と花火を打ち上げて、それで済む場合と済まない場合があり、鳥越氏の件は後者じゃないかな」

 ちなみに橋下氏も大阪府知事在職中の2012年、週刊文春に知事就任前の女性との不倫スキャンダルを暴かれた苦い過去を持つ。この時の対応は「今回は(文春に)バカはつけられない」と大筋で記事内容を認め、「(夫人との関係は)大変な状況です」と苦笑しながらうつむいた。
 
(フリー記者・本間誠也)